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……とてつもなく頭が痛い。
いつもの入れ替わりの時のものではなく、ただ単にズキズキとするだけ。
手にはシャーペンを握っていた跡がある。
夕闇燈め、呪ってやる。なんて呪われている様なものの私が言うのもなんだが、切実にそう思った。
頭の使いすぎ、それが頭痛の原因だろう。ため息をついて歩く。
今は座学が終わり、ちょっとした休み時間だ。ただっ広いこの学校を歩くだけで終わるくらいの時間でしかないのだが。
次は実戦形式の授業で、中庭にこの時間を使って移動する。1年の教室は中庭から1番遠く、速めに歩かないと間に合わなくなってしまう。
……えぇ、まあ居ませんよ。一緒に移動する友達なんてねえ!
そもそも男だらけなのがいけないと思うんだ。友達いらないよね?ね?って言ってるもんじゃないか。
謎のイライラを抑え、中庭に着く。当然のように、教室から1番近い3年は既に来ていた。
着くと1番最初に私に声をかけるはやはりテツ先輩だ。
「よー、A。朝会ったけどな」
笑いかけながら言うテツ先輩。朝会ったのは覚えてないけどね。仕返しとばかりに記憶にロックかけやがったあいつ。
「どうもです、テツ先輩」
そう言ってから周りを見回してみる。
「あれ、今日はCも一緒ですか?」
そこには見慣れない顔があった。何故Cだと分かったかは……まあ体付きから分かるだろう。
「ああ。さすがに何日も何日も同じ相手じゃつまんないだろ?こういう相手にも慣れといて損はないしな」
こういう相手、とはつまり力尽くで来る相手の事だろうか……。突進してくるのかな、吹き飛ばされるのかな。
「岩ちゃんなら蒼海ちゃんでも容赦なく吹き飛ばすね」
心の中を読んだかのように及川先輩は言った。岩ちゃん、というのは後ろで及川先輩を睨みつけている人だろうか。
……あ、殴られた。
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作者名:凛花 | 作成日時:2017年1月9日 16時