検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:5,811 hit

. ページ21

「……及川さん。俺も、俺は家族を殺してでも、あいつを救いたい。もしかしたら、傷ついてるかもしれないから……です」

じゃあ、と少し頭を下げて出て行こうとした時、

「……あー……もう。いいよ!しょうがないなあぁ!!」

頭がおかしくなったとしか思えないくらいに及川は大声で叫んだ。

「え、ちょ、え!?」

あからさまに動揺して影山は振り返った。

「蒼海ちゃんは殺さない。蒼海ちゃんを殺そうとするやつは殺す、それで俺は動くよ!」

少しだけ、周りも安心したようだ。結局、蒼海Aを殺したくない、そう思われてしまう悲しい運命なのだ。

「やっとか、及川」

黒尾がドアを開け、顔を出す。
及川は少し驚いてから、満面の笑みをこぼした。

_____________________

『ふふ、ふふふ』

不気味に笑う声が頭の中で響く。
その間にも、魔物が1人、また1人と死んでいく。いや、魔物に1人は違うか。

『ん〜……あ!強敵来たんじゃない?』

夕闇燈が言って、前を見る。………………

「牛島若利」

最強の大魔導士、牛島若利。

「……お前、何が目的だ」

恐らく、こいつは知っている。魔物を呼び出したのが私だと。

「それが分からないなら退いてくれないかな。邪魔なんだ」

でも、でもね。もう疲れたからさ。できればそこを退かないでくれ。それで私を_____________


殺してくれないかな。


そんなら甘ったれた事を吐いたところで、きっとこいつは私を殺さない。捕らえて、一生檻の中に閉じ込めておく。
だから、こいつを殺そう。

「朱雀」

牛島若利の、顔が歪んだのがわかる。

自分の中から、憎悪と悪意と絶望が溢れ出す。

『あは、あははははは』

楽しそうに、私を嘲笑うかのように、夕闇燈が笑う。頭が割れそうで、でもやめるわけにはいかなくて。

神に嫌われた私の、1つの願い。



私を、殺してください。

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , ファンタジー , 魔法学校   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:凛花 | 作成日時:2017年1月9日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。