17 不吉な予感 ページ19
「AちゃんAちゃん！」
衝撃の事実に一人悲しんでいると、末っ子二人が何やら楽しそうに私に近づく。
ニコニコと子どもみたいな笑顔を浮かべる彼らに釣られ頬を緩ませながら、私は「ん？」と首を傾げた。
「あのね、ボクたちとプレゼント交換しない？」
「プレゼント……？」
「そう！ボク、Aちゃんのプレゼント欲しいなぁ〜」
「あっ、ずるいぞテメェら！俺もする！女の子からプレゼント欲しい！」
一気に盛り上がる六つ子の輪の中で、何かプレゼント持ってきてたっけ……？と思考を巡らす。
スタジャンのポケットに手を突っ込めば、イチゴ味の飴玉が一粒。しかも、いつだかパチンコで当てた景品だ。
「あ、あの、私プレゼント持ってなくて……」
流石にそれじゃダメだろうと思い、「すみません」と頭を下げる。
「あ、じゃあさ！」
背中に寄りかかっていたおそ松が、突然明るく声を上げた。
「Aが酒おごってくれる券！これプレゼントでよくない？」
「おそ松兄さんのくせにいい案出すじゃん」
「へへ、だろぉ〜？」
「兄さんそれ褒められてないよ」
しらっとおそ松を見て、「Aさんもそれで良いですか？」と問いかけてくるチョロ松さん。「みんながそれで良いなら…」と素直に頷く。
じゃあ決まりね！とはしゃいでプレゼントを抱えるトド松くんに微笑んでいると、カラ松さんが腰に手を回してきた。
「フフゥン……二人きりで乾杯したあと、そのままネオンに消えるのも悪くない……」
「ねえアンタ酒癖悪かったりする？泥酔したら暴力振るうとかない？暴言吐いたりしない？」
「ないですよ。私にそんな期待の目を向けないでください」
がっしりと私の腕を掴み、ギラついた瞳で見てくる一松さんに眉を寄せる。
「はい、じゃあみんな輪になってるし、プレゼント回すよ？いい？」
ぱんっと手を叩いたチョロ松さんの掛け声に頷いて、各々のプレゼントが順々に渡される。
シネシネシネシネシ〜ネシネ。
居間にボソボソと響く掛け声に戦慄するものの、彼らの死んだ目を見た私は、理由を聞くのをやめた。
「よっしゃストップ！俺にAの回ったからストップ！」
「はあ！？ずるいよおそ松兄さん！」
「非道！悪魔！鬼！！」
非難する弟たちを無視して、「ごちになりまーす」と笑うおそ松。
苦笑しながら私も回ってきたプレゼントに目を落とす。
「…………」
そのラッピングの色を見て、泣きそうになった。
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スカイ(プロフ) - 本当に好き....!!!めちゃめちゃ面白いです！作者様がまた書きたいと思いましたら、更新して頂けるととても嬉しいです！待っています！ (2020年6月2日 18時) (
レス) id: a0f03080e5 (このIDを非表示/違反報告)
おもちもちもちもんだみん(プロフ) - おもしろい〜！ (2019年2月14日 14時) (レス) id: bcc917b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモ(プロフ) - ナバポさん» コメント有難うございます！こじらせクズがとても好きなんです〜！楽しんでもらえてとても嬉しいです！ (2017年12月23日 12時) (レス) id: 63c1855969 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモ(プロフ) - 俺の嫁は二次元(ｷﾘｯさん» コメント有難う御座います＾＾年に二度ほどしかない更新ですが楽しんでもらえたら嬉しいです！ (2017年12月23日 12時) (レス) id: 63c1855969 (このIDを非表示/違反報告)
ナバポ(プロフ) - 二人がクズをこじらせている笑面白かったです！ (2017年6月14日 20時) (レス) id: 03f7a55e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨモ | 作成日時：2015年12月15日 21時
