11 健全な遊び ページ13
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「……空って青いなぁ〜」
変態二人を家から追い出した数日後、結局パチンコに負けた私は土手下に寝転がって青空を見上げていた。
空っぽになった二つの財布をそこら辺に投げ捨てながら、私は大きく溜息を吐く。
最近、何かとツイてない。
パチンコに負けて変態二人に出会って、運(二人の財布)を掴んだかと思えば、またパチンコに負けた。
私の運勢は一体どうなっているのか。
「神様って不公平だなあ…」
学生時代の友達なんかは、次々に就職して結婚して、幸せな家庭を築いているというのに。
私はというと働きもせずパチンコに通って、酒を飲んで食って寝る。これの繰り返し。
ちょっと自分の人生に悲しくなりながらぼんやり空を眺めていると、
「きたー！満点サヨナラホームラーン！」
カキーン、というよりは、ゴッという鈍い音が元気な声と共に聞こえてきた。
うるせえ！こっちは今しんみりしてんだよ！と、半ば八つ当たりでそちらに顔を向ける。
刹那。
「ギャッ！！」
間近に球状の物が見えたかと思うと、がつんと何かが鼻にぶつかった。
いてえ！と生理的に出てくる涙を流しながら、勢いよく起きあがって顔を押さえる。
「あっ、やっちった！ダイジョーブですかぁ！？生きてますかぁ！？」
「ううっ、何とか…」
駆け寄ってくる足音に顔を上げる。
そこには、黄色のユニフォームの男の子。
涙でよく見えないけれど、人にボールを当てたくせしてニコニコ笑いながら立っている。
あれ？この顔見覚えある？とぐらつく頭で既視感を覚えつつ、その手に握られているバットに私は目を見張った。
ぼた、と鼻の下に構えていた手の平に、生暖かい液が垂れる。
「…鼻血でてるよ」
ニタリと口元に笑みをたたえ、バットにぐるぐる巻きにされている一松さんが、そこにいた。
「い、いちま…！」
「あれ？兄さん知り合いなの？」
「うん。将来俺のコドモをこさえる人だよ」
さっきのゴッて音、そういうこと！？
平気な顔してウソをつく人間バットの一松さんに、ぞわりと背中が粟立つ。
「あ、気持ち悪いって思った？そうだよ、気持ち悪い人間なんだよ俺は…フヒッ。バット振る？」
「マジ！？やろうよやろうよ！俺ピッチャー！」
ドカっとバットを投げ捨て(一松さんは「ああ♡」と喜んだ)、ボールを拾い上げると、ニコリと私に微笑みかける。
「…そんなプレイ付き合ってられるか！」
私は思い切りバットを踏みつけた。
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スカイ(プロフ) - 本当に好き....!!!めちゃめちゃ面白いです！作者様がまた書きたいと思いましたら、更新して頂けるととても嬉しいです！待っています！ (2020年6月2日 18時) (
レス) id: a0f03080e5 (このIDを非表示/違反報告)
おもちもちもちもんだみん(プロフ) - おもしろい〜！ (2019年2月14日 14時) (レス) id: bcc917b3e1 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモ(プロフ) - ナバポさん» コメント有難うございます！こじらせクズがとても好きなんです〜！楽しんでもらえてとても嬉しいです！ (2017年12月23日 12時) (レス) id: 63c1855969 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモ(プロフ) - 俺の嫁は二次元(ｷﾘｯさん» コメント有難う御座います＾＾年に二度ほどしかない更新ですが楽しんでもらえたら嬉しいです！ (2017年12月23日 12時) (レス) id: 63c1855969 (このIDを非表示/違反報告)
ナバポ(プロフ) - 二人がクズをこじらせている笑面白かったです！ (2017年6月14日 20時) (レス) id: 03f7a55e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨモ | 作成日時：2015年12月15日 21時
