現実 ページ42
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｢本当に大丈夫？｣
｢大丈夫。行けなくてごめん｣
｢Aはいいんだけどやっぱり心配だよ……｣
今日はAが通っていた大学の卒業式。晴れ姿が見たいなと思って行く準備をしてたのにまさかの体調不良で行けなくなってしまった。
｢早く行かないと遅れちゃうよ｣
｢あっ、やばい。行ってきます！｣
｢行ってらっしゃい｣
着付けとヘアセットのために少し早めに出かけたAを見送ってからベッドに戻って一緒に行こうと行ってた阿部にAを任せた。
気付いたら寝てしまってたみたいで、時計を見たらお昼過ぎだった。阿部からAの写真が送られてきていて、それを眺めながら成長したなぁとしみじみ思った。
喉が渇いて水を飲みに行こうとベッドから立ち上がったら、ちょうど玄関が開く音がした。もう帰ってきたのかな。早いな。
｢涼太くんただいま！体調大丈夫！？しんどくない？病院行く？｣
｢おかえり。早かったね｣
｢もう心配で心配で……｣
｢大丈夫だよ。熱はもう下がってるし｣
｢良かった……式終わってソワソワしてたらさ、にぃにがもう帰ろうかって言ってくれてダッシュで帰ってきた！｣
｢そっか、ありがとね。友達と喋んなくて良かったの？｣
｢友達いないから大丈夫｣
ちょっと余計なことを言ってしまったなと思いつつ、Aのその優しさが胸に沁みた。阿部もAと話したかったんじゃないかな。
独り言を言いながら髪を解いて、俺を寝室まで引っ張っていくAの後ろ姿がとても愛おしく見えた。なんだろう、心の底からAのことが好きって思った。手離したくない。
｢涼太くんが元気無いとAも元気無くなるからね｣
｢A、｣
｢ん？どうしたの？具合悪い？｣
｢ううん。A、結婚しよう。俺達｣
｢え？｣
いつかのインタビューで理想のプロポーズは？と聞かれて答えた真逆のシチュエーションだ。でも、今伝えないといけない気がした。
｢涼太くんそれ本気で言ってる？｣
｢俺はいつだって本気だよ｣
｢そっか……そんなの嬉しいに決まってるじゃん。ずるい！もっと心の準備してる時に言ってくれるかと思ったじゃん……こんないきなり言われたら追いつかないよ……｣
｢ごめん｣
｢ごめんじゃないの！嬉しいからびっくりしてるの！もう〜バカバカ！｣
そう言いながら笑うAの目には涙が浮かんでいた。それを見て思わずこっちまで泣きそうになった。
｢体調不良に魘されてたとかナシだよ｣
｢もちろん。夢じゃない現実だからね｣
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p@n@(プロフ) - 美香さん» コメントありがとうございます(^-^)！書き溜めて放出出来るように頑張ります！！お待ち頂けたら嬉しいです〜！ (6月4日 22時) (
レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
美香(プロフ) - このお話面白かったです！もし時間などありましたら、番外編などで良いので子供が大きくなっての話やメンバーの様子など見てみたいです (6月4日 22時) (レス) @page50 id: 3caaff748d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：p@n@
| 作成日時：2023年5月18日 23時
