兄は察してる ページ11
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元々勉強に身が入ってないA、もっと身が入ってないことに気付いたのはAが高校に入学して一番最初の定期テストの時だった。
｢5点！？一体何があったら5点なの！？｣
｢分かんない……けど最近全然集中出来なくて｣
｢集中力は元々無いよね。なんで？怒んないけどこれ……大丈夫なの？｣
｢大丈夫じゃないよ〜にぃにどうしよう！｣
えーん、と泣きついてきたA。泣きたいのは兄ちゃんもだよ。まだ一番最初のテストだから取り返せるけど、出席日数も仕事があってギリギリだから次頑張らないと呼び出しだな。なんて思ってた。
とにかく練習の合間に勉強を教えないと追いつかない。
隣に座りながら教えている間にAの視線が教科書じゃなくて違う方へ向いてることに気付いた。
｢A……？｣
｢……ん、あ……ごめん｣
視線を辿った先には舘さんがいた。あ、Aは舘さんのことが好きなんだ。だから勉強に身が入らないんだ。ここでようやく繋がった。
｢恋もいいけど勉強も頑張ろうね｣
｢えっ、ちょっ、なに！？｣
｢いいよ、兄ちゃん分かってるからね。うんうん｣
｢いや何が分かってんの！｣
｢Aどうした！？｣
佐久間が慌ててこっちに来たから｢大丈夫だよ｣と制止してAを落ち着かせた。
家に帰って部屋に篭もるAと少し話がしたくてドアをノックしたけど反応が無かった。
｢おーい、A？大丈夫？｣
ノックを強くしていくと慌てて出て来てくれた。起きてるじゃん。
｢なに……｣
｢お話しよっか、ね？ココアいれてきたよ｣
｢ありがとう……｣
小さなテーブルを囲んで座って、ココアを一口飲んだ。
｢Aさ、舘さんのこと好きでしょ｣
｢っ……そうです｣
｢舘さん優しいもんね。ずっと一緒だよね、同期だし｣
｢まぁ、そうだね……｣
｢いつから？｣
｢うーん……気付いたらかな。でも多分、初めて声掛けてもらった時からだと思う。王子様だって思ったし｣
｢そっか｣
その話は舘さんから少し前に聞いたし、Aからも聞いてた。Aの事を守ってくれる人なら安心して任せられる。俺と舘さんの関係性が一時期良くなかったとき、毎日のようにAは泣いてたっけ。
｢高校卒業するまで我慢出来る？｣
｢えっ、無理｣
｢えっ｣
｢だって大好きなんだもん。涼太くんはAのことどう思ってるか分かんないけど｣
不安そうに目を伏せたけど、きっと舘さんも同じ気持ちだと思うよ。優しい目でAを見てるから。
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p@n@(プロフ) - 美香さん» コメントありがとうございます(^-^)！書き溜めて放出出来るように頑張ります！！お待ち頂けたら嬉しいです〜！ (6月4日 22時) (
レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
美香(プロフ) - このお話面白かったです！もし時間などありましたら、番外編などで良いので子供が大きくなっての話やメンバーの様子など見てみたいです (6月4日 22時) (レス) @page50 id: 3caaff748d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：p@n@
| 作成日時：2023年5月18日 23時
