転生したら弱井トト子になっていた件について【おそ松さん】

【第2話】ヒロインに転生しました ページ3

「Aー、母さんよー。分かるー？」

「あーう、おあーしゃ…」

「Aー、父さんだぞー」

「おとーしゃ…」



あれから何ヶ月も経って、やっと口が回るようになってきた。喋れないのってこうも辛いことなのか…よく耐えたな私、そして全国の赤ん坊諸君。君らは英雄だ。


それはさておき、結果的に私は交通事故にあった挙句にどこかの夫婦の間に生まれた赤ん坊として転生したらしい。まぁ、死ななかっただけ良かったとは思うが、まさか17歳で生まれ変わるとは……解せぬ。まぁいい、とにかく今回こそはオタク人生を全うしてやる、絶対に。



…そうだ、オタク人生と言えば。「えいがのおそ松さん」…今度やるんだったっけ。あー、見たかったな…せっかく事前登録済ませたのに。第2期が終わって松ロスになっていた所を、映画がやるって聞いてたから救われてたのにな。畜生め。
確か「えいがのおそ松さん」は、六つ子の学生時代の話だっけな。六つ子はもちろん、ヒロインの弱井トト子ちゃんも出るはず。








…………ん？弱井トト子？









「あう…」
「あら、どうしたの？A。お腹減っちゃった？ミルクの時間にしようかしら？」





ぽかんとだらしなく口を開ける私を優しく抱き上げる女性。角縁眼鏡に優しそうな表情。そして……弱井トト子そっくりの髪型。









「あ……うあー！！？(嘘ー！！？)」









私を抱える女性は、おそ松さんのヒロイン・弱井トト子の母にそっくりだった。父もアニメで見たのと瓜二つである。そう、つまり………









＿＿＿＿私は転生して弱井トト子になってしまったようだ。

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