「念修得済のアドバンテージは想定以上に大きいぞ! 肝に命じておこう!」 ページ49
私とキルアのどちらが強いか。その質問に対して、一概にはいこちらです、と答えることはそれなりに難易度が高い。
ポテンシャルや伸び代の面ではキルアが、人生経験値や精神力では私が優っている。将来的には確実にキルアの方が強くなるだろうが、現時点で勝負して勝つのは、どう転んでも私だ。
私とキルアの間には、念を修得しているかしていないかという圧倒的な差があるから。
技術面において圧勝していたキルアがズシに勝てなかった理由もそれ。念能力者とそうでない者の隔たりは、余りにも大きい。
何せ“纒”をしてグーパンするだけで、常人なら再起不能に出来るのだから。全く念ってのは恐ろしい。
「んんー……年の功ってやつ?」
「誤魔化すなよ。何なら今ここで試しても良いんだぜ」
あれあれ、キルアってこんなに短絡的な子だったかな? それとも家出してすっきりして今までの不満がぱーっとなってるのだろうか。
……いや、素でこんなもんか。会長とゲームした後に衝動のままに二人人生から脱落させてるし。
鋭くこちらを睨み付けるキルアの目に、冗談の色は感じられない。からかいすぎたのもあるかも知れないな。
「やめておこうよ。君にも私にも徳がないだろ」
「あんたがもしオレより弱かったら、面白い話じゃん?」
「私的にはまずい話なんだけど……」
今にも飛びかかって心臓抉り出しそうな面構えだが、ちょっと意識失って頂く訳にもいかないし……仕方ない、少しだけ脅すか。あっ待って今の私すごい調子こいてる中ボスっぽい。
居た堪れない気持ちながらも、ほんの僅か、されども明確な殺意をキルアに向ける。一瞬だけ彼の意識がそこに集中した隙を狙って背後に回り込み、そして仕掛ける膝カックン。
キルアは「うおっ」と間の抜けた声を上げ、大きく体勢を崩した。実戦ならここで殺してる。
「はっはー、ほれ見なさいキルア坊ちゃん。私の動きを視認出来たかね」
「……くっそ、ぱっと見弱そうな癖に」
「それすっごいブーメランだからね。君も儚げな猫属性美少年にしか見えないからね」
「儚げってとこだけ否定する」
「手前の美醜が如何程か分かってやがる」
流石は人気投票三冠を達成しただけはある、この子暗殺業継いでたら絶対ハニトラしてたな。そして二年前の私はそれに確実に引っかかって死ぬ。
これ以上絡まれても厄介なだけなので、あばよっ! と手をかざして颯爽とキルアの元からおさらばした。またクラピカと喧嘩するのはごめんだぜ。
後書き兼懺悔→←「副題:イルミさんが見てる。未だに私達をガン見している。何を思って見ているのだろう。とにかく恐怖である」
763人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ