「ヨークシン編でヒソカさんに化けてたんだからもっとマシなのがあるだろうに何故あのスタイル。お気に入りなのか?」 ページ33
イルミさんにも気に入られてしまったしなあ、と考えた瞬間、背後からカタカタ……と独特の例の音が聞こえた。
慌てて振り向くも、そこには誰もいない。気にし過ぎかな、と思い直して正面を向き──視界の端に、クリーチャーを捉えた。
「うわあああああびっっくりした!! めっちゃびっくりしたぁ!!」
「や。結構久し振り」
と、片手を上げるイルミさん。相変わらずショッキングな風貌だ。
どうでも良いけどその顔面から胸元までびっしり針突き刺さった状態でイケボ使うのやめて欲しい。もっとこう……まともな変装はなかったものか。これ変装って言うより変身だし。
「やあ、……ギタラクル♥Aから話は聞いたよ、まさか君から求婚するなんてね♦」
ヒソカさんは慣れた様子で優雅にひらりと手を振った。イルミさんのこの格好は見慣れているようだ。どちらかと言えば余り順応したくはない姿ではある。
「ヒソカと会えたんだね。オメデトウ」
「酷く棒読みな祝福をありがとうございます……イル、ひっ!?」
ヒソカさんの台詞はガン無視して、壊れた人形のような急角度で私を見るイルミさん。一応おめでとうされたのでお礼を言おうとすると、途中で針を投げ付けられた。
おでこど真ん中に突き刺さる寸前で受け止め、色々な要因が重なり合ってばくばく跳ね回る心臓を押さえながらイルミさんを見やる。
「ギタラクルだから。オレ」
「先に口で言って欲しかったです」
成る程つまり、変身してるんだから身バレするような発言は避けろ、と。確かに私の認識が甘いのが原因だが、もっとこう、やり方はなかったもんだろうか。私が間違ってるのか?
悩む私の二の腕が、くんと引かれる。ヒソカさんのバンジーガムだ。「何ですか?」と聞くと、「別に♣」と返された。
「何だよヒソカ、嫉妬? 案外女々しいよね、お前って」
「ファッ!?」
ふいとあらぬ方向を見やるヒソカさんに向かって、イルミさんもといギタラクルさんが小馬鹿にしたように言う。嘘だろまさか、ヒソカさんが嫉妬とか……私相手だぜ?
いやでも、一応好いてくれてる? みたいだし、めちゃくちゃ自惚れて考えればあり得なくはない、のか……?
恐る恐る、ヒソカさんに視線を向ける。タイミング悪く、丁度こちらを見ていたヒソカさんとがっちり視線が合ってしまった。
数秒の硬直の後、何でもいいから言おうとした私を遮り、ヒソカさんは言った。
「……はっきり言っておくけど、まだ好きだから♥」
「ヤバいよイルミさんマジ怖い。下手なこと言ったらすげえ重低音の尋問が待ってるもん。軽々しく話題振れねえわ」→←「何で私を好いてくれてるのかマジで分かんないし明日逝ってもおかしくないくらいには今の状況がヤバすぎる」
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ロキ(プロフ) - エーミール少年が登場しとる笑 (2020年2月20日 21時) (レス) id: 2da3670e3a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» わーい閲覧ありがとうございますー! うーん…原作軸に沿って動くだけでかなり暇がないので、子育てさせるなら捨て子拾うとかそんな感じになりますね (2017年3月26日 15時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - 更新されたの見ました!後、質問です。将来フェイと夢主の間に子供とかできたりするんですか。フェイと夢主の子育てシーンとか見たいです (2017年3月26日 9時) (レス) id: 46104a2fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫月さん» この小説ももう49話埋まってしまったよ…。言うてやったのは膝カックンだけどね!(ショボい)元の世界についてはまだ言及しないかな〜…といった感じ。ただどっかのタイミングで一時帰界させないとなあ、とは考えてる所! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みーたんさん» ああああありがとうございます……!!! (2017年3月26日 0時) (レス) id: a73d01fcb2 (このIDを非表示/違反報告)
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