52話 ページ3
Noside
煙管から煙を吐く男。
鋭い犬歯と尖って長い耳から妖だと物語る。
衆合地獄の店前の木で出来た椅子に腰掛けては一服する。
檎｢律、店番じゃろ。早う入れ。｣
律と呼ばれる男は店から出てきたこれまた煙管を咥えた男を金色の瞳が捉える。
律｢ややこに会わせたのは、うぬのくせに。｣
檎｢えー、そうじゃったかのぅ。｣
律｢そっくりだ…可愛い我が子。｣
檎(勧誘しにくくなったのう…)
律｢あぁ…とても愛らしかった。｣
｢旦那様ばかり！｣
茶色の毛に狐耳がついた女が律と呼ばれた男に怒鳴る。
律｢さ、先程も謝っただろうが…｣
｢旦那様ばかりあの子とお話するなどあんまりです！｣
檎｢娘がここで働いてくれたら会えるだろうに。｣
律｢可愛い娘をこんな下卑た所で働かせれるか。｣
檎｢育て親ばりに子煩悩だのう……｣
白澤｢やっほー。｣
A『むぅ……』
薬師と助手がやってきた。
｢まあ！まあまあ！旦那様!!｣
律｢また会ったな、可愛い我が子や。｣
A『う…？』
｢まあ！旦那様と同じ髪色だこと！｣
明るい声に怯えながらも助手は顔を覗かせる。
律｢それ以外はお前に似てるだろう。｣
｢ややこ…ごめんね、母さんが弱くてね…｣
A『あ、あの……』
｢今なら元旦那の寝首を引っ掻いてでも止められるのに。｣
A『は、白澤様ぁ…』
白澤｢あぁもう…あまり怖がらせないで欲しいな。この子、外の世界にまだ慣れてないから。｣
律｢慣れていない？｣
白澤｢あー……連れていかれそうになるから外に出るのを制限してたんだ。やっと落ち着いてきたから外に出してるけどね。｣
男の顔が曇る。
律｢奴らはしぶとい…｣
｢でももう安心ですよ。元旦那と雇った連中は烏天狗警察に連れていかれましたから。｣
女はいきいきと答える。
｢だから、私は旦那様と再会してまた添い遂げようと出来るわけですもの。｣
檎｢白澤の旦那〜。部屋が用意出来やしたぜ。｣
白澤｢ありがとう。｣
檎｢嬢ちゃんは見学してみんか？｣
A『わ、私は…』
白澤｢檎ちゃん、いつも言ってるけど｣
律｢檎……｣
｢｢うちの娘はここでは働かないからな!!｣｣
息もピッタリに男らが言う。
檎｢生みも育ても娘には甘いのう。のう、嬢ちゃん。｣
A『ふぇ…？』
白澤｢うちの娘はうちで1人前になるって意気込んでいるからね。｣
律｢あの方が育ててくれたようだ、良い人だろう？｣
｢はい！｣
こうして少女のガードはより固くなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もふもふ(プロフ) - 続き、とても楽しみに待ってます。癒しをください…(涙) (2021年9月5日 1時) (
レス) id: 0e85808bf4 (このIDを非表示/違反報告)
Kayla(プロフ) - 凄く面白いです更新待ってます！！ (2020年9月24日 22時) (レス) id: 5af5e7e5dc (このIDを非表示/違反報告)
風矢@二次元待ち(プロフ) - とても面白かったです。更新とても楽しみにしてます。 (2020年8月16日 21時) (レス) id: 079381131c (このIDを非表示/違反報告)
猫田雛(プロフ) - 更新停止もったいなぁー！神なのに！更新待ってます！あと、想像で夢主ちゃん描いたんで「猫田の落書き部屋」に見に来てねぇー！ (2020年6月6日 17時) (レス) id: dff0e218d6 (このIDを非表示/違反報告)
Jjj - 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。執拗いのですが、更新はするつもりなのでしょうか？ 停止にしているのは全然構いません（また何か上からに．．．すみません...） 気分でも、たまにでも、何でも良いので更新をお願い致します。．．．失礼過ぎましたね...。 (2020年5月11日 0時) (レス) id: 164c86cd11 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ペテン師 | 作成日時：2020年1月27日 3時
