【テニプリ】放送委員の憂鬱

放送委員は頑張る ページ10

「なぁケンヤ、まだAちゃん来うへんの？」

「まだ放送終わったばっかや！！まあそろそろ来るんちゃうん」

「ホンマ狡いで…代わってほしいわ。」

放送始まる前からスタンバっていた白石。必死か。
白石の前で放送を終え、2人でAを待つ。
絶対A逃げると思うけど、まあしゃーない。

「謙也君入るよ」

Aの声がしたので適当に返事をする。
うわ、白石顔やばいで。緊張とニヤケが最高にやばいで。

「ん？誰かいる？」

ドアを開けようとしているA。
気配でも感じたんか。
おるで、お前の愛しのやつが。

「私という者がいながら他の人と食べるなんて…謙也君浮気か！死なすど！なーんて…」

そしてドアを開けながら言うA。
一瞬時が止まった。

「…。」

白石が黙っとるけどそれどういう表情なん？
ごっつ変な顔しとる。多分俺も言われたいわーっちゅー感情と狡いわケンヤっちゅー感情を混合したものごっつ変な顔やな。
あかんあかん、フォローせな。

「ユウジの真似か、最近仲ええもんな！」

「…。」

あかん、ユウジの話もあかんかった。
もう全てがあかん、逃げ出したい。

「ひらいひクン、と、隣 い、イイ？デスカ？」

これは意外、沈黙を破ったのはAで、しかも白石を誘っとる…！
この際ひらいひでも何でもええわ！

「はっ、あかん、一瞬心臓止まったわ。」

いや本音出すなや本音。
丸聞こえや…いや、A緊張で目が回っとる。聞こえてへんわこれ。

「ええで。ほなここおいで」

ぽんぽんと隣の椅子を叩く白石。切り替えはやっ
ちゅーかお前がセンターかい。まあええけど！！

「あ、ありがとう」

帰国子女卒業したな、感動や。徐々に片言がなくなっとった。
相変わらず動作はロボットやけど。

まあここは俺が一肌脱がなあかんな。

「ほな俺飲み物買うてﾇｸﾞｯ！！」

立ち上がろうとした瞬間物凄くヌルッとした感触の者が俺の腕をごっつ強い力で引き止めた。

「ｱｶﾝｱｶﾝｱｶﾝｱｶﾝ」

白石が壊れた。あ、いつもの事やったな。
ちゅーか手汗酷いわ！！ド緊張しとるやん。

「け、謙也君…」

Aも捨てられた子犬みたいな目で見よる…。あかん。これは行かれへん。クソォ！ホンマ俺ってええ奴やな！！！

「はぁ…。白石、Aはよ食べるで」

座り直すと、Aが安心したような顔をした。
白石はと言うと…。

「その言い方めっちゃええな。結婚しとるみたいや」

俺だけに聞こえるように呟いた。
いつかどついたるわ

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