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広いスタジオ。華々しくレトロな椅子や小物が散りばめられている空間、
ああ…懐かしいと思った。
「何かご用ですかー？」と私の意識を呼び戻した店主と思しき男性自身はレトロに似つかわしくなくまだきっと若かった。
建物に合わせてかその服装は
カフェラテのような色のシャツにきらりと光るループタイ
サスペンダー付きのパンツの裾を少し折ってあって、
足首はオレンジと緑が混在したブロック柄のソックス
というレトロモダンなものだった。
「あ……、いえ、……用ではなく」
そう言って髪を耳にかけながらふと室内の写真も目に入る。
今日と同じ突き抜けるような青さの空の写真。
側にはさっき立ち入ったあの神社の写真もあった。
またも目を奪われて呆然としていると、
「何、気に入ってくれたー？」との店主の可笑しそうな声。
「あ…綺麗で。…これ、そこの神社ですよね」
「そそ！えっお姉さん、この辺の人？」
「あ、いえ。さっきそこを通ってきたので」
「は〜〜なるほどな！
今日の空もめちゃくちゃ綺麗なん、見た〜〜？」
「ほんでこんな綺麗な人がウチに来るなんて珍しいわ」と言った店主は、
腕を組んだその手で顎を支えながら私の全身をサッと見て唸り声をあげる。
まるで彼の目というレンズ越しに被写体にされているような気になった私は、恥ずかしくて下を向いた。
「時間あるなら見てく？ウチの写真」
「…え？……いいんですか？？」
「あったりまえよ〜〜今日暇やし貸し切りやで？」
「自慢の写真たち見てって〜〜〜！」と言って
彼は私の背後にささっと回り、そっと中へ誘うように背中を押してくれた。
ふわっ、と笑う店主。
その笑顔すらどこか懐かしいと錯覚する。
この写真館すべてが何故かひどく懐かしく感じる。
……だって
彼が撮ったという写真全てが
余すことなく、私のおじいちゃんが撮った優しい写真の数々に似ていたからだ。
これも、これも、あれも、そう全部
何故だろう。ああ…鮮明に思い出す。
お父さん、お母さん、その間に私が入って
にこやかに笑って撮った1枚を。
微笑みながらシャッターを切ったおじいちゃんを。
食い入るように見ていた私が可笑しかったらしい。
振り返ると店主の彼が「自分、いい顔してんなあ」と
そんな彼自身もすごくいい顔をしていた。
.
.→←0 9 ✦ シャッターチャンスをもう1度 × Orange.
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Haruno(プロフ) - mamemiyaさん» mamemiya様、お返事が遅くなり大変申し訳ありません😭💜さんのお話気に入って頂けて本当に嬉しいです！！そうなんです、少しのすれ違いがとんでもない後悔を生んでしまうこともあるかと思います…。こちらこそ素敵なコメントを有難うございました！ (2023年4月22日 15時) (
レス) id: 7ace42d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - 深澤さんの話が切なすぎて胸がぎゅーっと痛くなりました。好きって思ったらちゃんと伝えないといけないですね。切ないですが、素敵な話をありがとうございました。 (2023年4月16日 12時) (レス) @page18 id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - あいさん» あい様最後まで見て下さりありがとうございます…！黄色さんでしたか！ご意見頂けて嬉しいです（ ; ; ）今回めちゃくちゃ更新早かったです笑 でも本当に無理はしていないんです！いつも書ける時に書いてるんですよ！その温かなお気持ちが嬉しいし感謝です！（ ; ; ） (2021年10月3日 16時) (レス) id: c65c76f5bd (このIDを非表示/違反報告)
あい - 頑張り過ぎなHarunoさんへ今日は怒らせてください(笑)敬語遣わずごめんなさい！たまにこうなったら許してください。今日もラブです！ (2021年10月3日 14時) (レス) id: 60ef7f07e2 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 完結お疲れ様でした。 私の中での今回の一位はやはり黄さんです。優しく看病してくれるのが浮かんでもう(涙)素敵な人柄でしたよ！ 今回も更新早いですね。きっと日々青い鳥も更新してくれてるはずなのに、読者に供給し過ぎです！ゆっくりしてっていつも心配になるぞ！ (2021年10月3日 14時) (レス) id: 60ef7f07e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年9月20日 15時
