二十二話.心は壹緒 ページ24
祝儀が無事終わり、
晴れて夫婦となった私と辰眞さん。
北條家の皆は長ノ木へ帰るというので、二河公園まで見送ることにした。
晴海「Aさん、辰眞さんは軍人さんなん？」
二河公園が見えてきた、という所で晴海が私の
手を握り問いかけてきた。
『えっと…辰眞さんは工廠務めじゃけ、おじいちゃんと一緒じゃ。航空機の設計しとるんと。』
『ほいでも、辰眞さんの弟さんが青葉の乗組員じゃ言うとったねえ…
私がそう言うと、前を歩く兄が不安そうに振り返って口を開いた。
周作「大変じゃのう…男3人、いつ兵隊に取られるか分からん…大丈夫か？」
『ありゃあ、心配しとるん？うちゃ平気よ、問題ないわい。』
私はそう言って兄の背中を軽く叩いた。兄はまだ不安げだったが、
最後くらい明るく振舞おうと思ったのか。�爐修蠅稷蠅發靴い里Ν瓩半个辰童�せてくれた。
そして二河公園へ到着する。
枯れ葉がヒラヒラ地面に落ちてきた。
『10月じゃねえ…』
私がそう呟くと、母が続けた。
サン「ほうねえ…毎年、お花見で来る時とは違うね。木が秋の色しとる。
でもこれからは近いけえ、色んな二河公園が見えるけえ、ええね。｣
径子「…ほいじゃ、A。お正月にね。」
『え？あ、ほうか…』
姉は呉に住んでいる訳では無いから、
いつでも会えるというわけでは無いのだ。
『ねえ、お姉ちゃん。次はいつ会えるかね？』
私がそう尋ねると、姉はにやりと笑った。
径子「多分すぐ会えるけえ、安心し。」
『どういう意味？』
径子「周作の祝儀じゃ」
周作「なっ！？ね、姉ちゃん！」
『ふふ、そりゃええね！
いい嫁さん見つけてえや、お兄ちゃん。』
円太郎「早々見つかりゃええがのう。」
サン「ふふ、本当ですね。」
冷たい秋の風が吹く中、笑いとともに暖かな雰囲気が北條一家を包んだ。
そして起きた笑いが沈んだ後、
彼らは別れを口にした。
周作「ほいじゃ。」
円太郎「元気での」
径子「迷惑かけんように！」
サン「無理せんでね」
晴海「またね、Aさん！」
皆が笑って歩いていく。
『はーい！』
そして私も笑って、彼らの背中に手を振った。
別れの挨拶にしては軽かっただろうか？
そんなことはない。
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別れへの惜しみの色も見せぬ別れの挨拶は、
それを裏付けるには充分だった。
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なー(プロフ) - 初めて読ませていただきました。心温まるお話、続きが気になります！ (12月14日 16時) (
レス) @page27 id: 5a5cf333fe (このIDを非表示/違反報告)
さとみ - はじめまして。楽しみに読ませてもらってます。完結したお話しでも再開するのでしょうか？またお話し読めるのを楽しみにしてます。 (2022年9月30日 14時) (レス) id: 1dc70ba9d0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 最近すごく『この世界の片隅に』にハマっていたんですよ、、ストーリーもキャラクター同士の関係も最高です…更新楽しみにしていますね (2020年7月12日 23時) (レス) id: bc0dbb2048 (このIDを非表示/違反報告)
もえこ(プロフ) - お話が動き始めて本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: 8b605c37d7 (このIDを非表示/違反報告)
Reika(プロフ) - おかえりなさい^ ^作者さんのペースで更新頑張ってください！読みに行きますね。 (2020年3月15日 23時) (レス) id: 616ea4ec17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏 | 作成日時：2018年7月22日 11時
