公安所属ヒロイン/共同捜査/仕事の仲/相澤先生 (ページ39)

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歩みを進め、辺りをさり気なく見渡す。

特に異常もなく、今日は何もないかとAは思いかけた。

が、次の瞬間嫌な予感がした。

組織の人間がいると確信し、

身を隠すために行動へ移そうとした瞬間に相澤が動いた。

ガバッとAを抱きしめ、互いの顔を見えないようにした。

A(は、早い………！)

Aは、相澤の反応速度の良さに驚きを隠せなかった。

A(教師をやっているから勘が鈍っていると思っていたけど…)

同時に、裏で活動している自分の反応が遅かった事に悔しさを覚えた。

『……っ』

相澤が軽く見下ろすとAは複雑な表情をしていた。

相澤「…まだ動くな。いる」

とだけ言い、抱きしめる力をさらに強めた。

案の定、2人の勘は当たっていた。

組織の人間が近くを通ったのだ。

顔バレしているかどうかは不明だが、バレたら厄介な事になるからここは回避しなければならない。

『く、苦しい…』

キツめに抱きしめられていたからか、Aは緩めるよう訴えた。

相澤「あぁ、すまない。あと10秒待て」

と、抱きしめる手を多少緩めた。

相澤(思っていた以上に華奢なんだな…)

抱きしめてみて初めて分かった事実に相澤は少し驚いた。

相澤(別に舐めているわけじゃないが……よくやるよ)

と、少しばかり彼女の凄さを改めて実感した。

『…もういいかしら？』

相澤「大丈夫だ」

相澤はソッと腕を離し、2人は自然と進行方向へ向かった。

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