銀髪の先輩［赤司征十郎］ (ページ46)

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綺麗な瞳だ、安心しろページ46

赤司side

僕はたまたま書店で会ったAを家に招いた
雨で濡れていたAの服を乾燥機にかけている

あのまま走り去ってしまうとは思わなかった
おかげで搾れるほどの水が出るじゃないか

風邪をひかないようにタオルを渡した

もちろん雨だからというのもあるが、本音はそろそろAに思いを伝えようと思っていた

「A、僕は好いているようなんだ」

それを聞いたAはとても悲しそうな顔をしていた

--これはもっと悩ませてしまったかもしれないな--

「ゆっくりでいい」

『ありがとう』

Aの目頭は涙こそ出ていないが赤くなっていた

何故僕がAを好きになったのか、おそらく気になっているんだろう

「そのまま聞いてくれ」

『？』

「僕がなんで君に惹かれたかを話そう」

「A、君はマネージャーということもありとても気配りができる。ほっとけないタイプなのだろう。

Aといると新鮮な気持ちになるんだ。当たり前のことが当たり前に感じない、そういうところが不思議と心地いいんだ。
小太郎たちが寄っていく理由がよくわかる」

『…』

Aは下を向いて頷きながら聞いてくれた

「友達思いなところ、後輩思いなところ」

なにより

「僕のこの目を綺麗だと言ってくれた」

それを聞いてAはこちらを向き、また泣きそうな顔をする

「A？」

『…も…めなんだ』

「？…すまない、聞き取れなかった。もう一回言ってくれ」

『私も、

赤目なんだ』

僕はAの目が、何度かそう見える節があったから
驚かなかった

今は綺麗な黒色の瞳をしているが
どう言う原理なのか気になった

Aはちょっと待っててと言って洗面台の方へと行った

ほんの数分で帰ってきたAは顔を隠していた

「…A？」

こちらを向いたAの目は確かに赤い目をしていた

『真っ赤でしょ』

僕のとは違う

僕のよりとても濃い色の赤だった

「カラーコンタクトかい？」

『うん、そう。楽だしね』

「そうか」

Aの手は少し震えていた

僕はその手の上に自分の手を乗せ、

『…！』

「綺麗な瞳だ。安心しろ」

そう言った途端Aは泣き崩れた