うるさくなるから嫌 ページ4
「Aー!!!クッキーくれ!!クッキークッキー!」
『わっ、ぷ…!』
練習が終わり、Aは部員が使っていたボトルを集めていた。
葉山に呼ばれて後ろを振り返ろうとした時Aに抱きつこうとしていた葉山とぶつかってしまった。
ガラガラとカゴに入れていたボトルが散らばり、Aがバランスを崩し倒れそうになる。
「…っと。危ねぇだろ葉山気をつけろ」
痛みを覚悟していたAは声の主を見上げる。
『正太じゃん』
葉山とぶつかって転びそうになったのを樋口が助けてくれた。
「ありがとうが先だろ普通」
『アリガトウ』
「心こもってねえ」
『大丈夫、篭ってる「わあああああああああA!!!ごめんほんとに!どこも怪我してない??!」……うるさ…』
「A!?大丈夫?………もう!何やってんのよ小太郎!Aが怪我したらどうすんのよ!?だいたいあんたはね落ち着きがないのよ、もっとおとなしくしてなさいよねほんと」
「ごめんじゃんレオ姉…」
『そんな怒らんでも大丈夫だよ。怪我してないし』
「そう?…じゃあ、これぐらいにしておくわ。
でも!小太郎にはクッキーなしよ。この筋肉バカと二人で食べるわ」
「おう!俺は食えればなんでもいいぜ!」
「ええええええ!ちょ、それはほんとに…『はい、小太郎。練習お疲れ様』…!!やった!さんきゅーA!」
「ちょ、A!?」
『練習後にあげる約束だったし。それにあげなかったら後でうるさくなるから嫌。はい玲央と永吉もお疲れ様』
「ふふ…Aらしいわね。クッキーありがとう」
「Aの手作りはうめえからな!また明日の練習も頑張れそうだぜ!」
『んな大げさな』
「A、俺にはないのか?」
『正太スイートポテト以外甘いの嫌いじゃん』
「まぁな、それはそうだ。
おーい、お前らとっとと食ったら着替えて下校しろよー」
うまいうまいと言いながら頬張る2年トリオ。
その光景にAは頬が緩んだ。
『んじゃ、先に上がるねお疲れ様』
「お疲れ、また明日な」
『砂糖40グラムぐらい多く入れちゃったんだよな〜』
と、Aは部室で一人つぶやいた。
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作者名:蛍 | 作成日時:2019年10月18日 20時