赤司が笑ったー! ページ20
葉山が頼んだのはポテト、ナゲット、チーズバーガー、シェイク。
『吐きそう』
「ちょ、食事処でそんな事言わないでA」
『あ、ごめん。赤司は?』
「じゃあ、シェイクください。いちごで」
『私テリヤキバーガーとシェイクのチョコで。お会計この人と一緒でお願いします』
赤司はAの発言に少しギョッとする
「え、あの先輩。申し訳ないです、払います」
『ん?あぁ、いいのいいの。つっても120円だけだけどね。ほんとに他は要らないの?』
「あ、いえ。…ありがとうございます」
赤司が少し微笑んだ顔は見逃さなかった
『普段からそういう顔すればいいのに』
「え?どんな顔してました?」
『こーーーんな顔』
Aは変顔をして見せた
頼んだものを一通りお盆に乗せて席に向かう
「…ははっ…嘘言わないでください…ブサイクすぎます」
さり気なく赤司はAからおぼんを取った
『ありがと。いや、ほんとにこんな顔だって。玲央達に聞いてみて』
「気が向いたら聞きます」
「ちょっとちょっと?早くしてくれないかしら?小太郎と永吉がうるさいくて手に負えないのよ」
『あーはいはい、今行くから』
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『永吉……何個頼んだのそれ』
「んあ?多分30個だったっけな」
『バケモン。…あ、はい赤司の』
「ありがとうございます」
『はい、みんな準備はいいですかー?
手を合わせてー、せーの「「「「いただきます」」」」』
つられて言ってみたは良いものの赤司はポカーンとしてしまっている
「あははー!赤司が豆鉄砲食らった顔してるー!」
「Aはどこであれ口にするものは必ずこうするのよ。私たちはAと出会う前まではこんなことしなかったけど知らないうちに定着しちゃったわね」
「礼儀や行儀を1番に重んじるのがAだからよ。それが時に堅苦しいが、まぁ慣れれば良いってもんだな」
赤司もマジバは初めてではない
中学時代に何回も行った
速さが勝負のファーストフード店で作法を気にする人などそうそう居ないだろう
口にするものにいただきますを言うのは当たり前だが、手を合わしてまでするというところに赤司は少し感動してしまった
『バスケ部の連中には徹底させるからマジで』
「…フッ…」
「あ、赤司が笑ったー!初めて見たよ俺!赤司も笑うんだなー、いつも鉄仮面みたいな顔してっから笑わないと思った」
『鉄仮面だって……ブフッ』
「小太郎、明日4倍な」
「あ〜………」
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作者名:蛍 | 作成日時:2019年10月18日 20時