銀髪の先輩［赤司征十郎］ (ページ12)

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いい子いい子ページ12

あれから朝練は順調に進み、8時に終了した。
今日は幸い体育があるクラスがなく、ボールは倉庫に片付けず出したままである。放課後は準備を省けてすぐ練習ができる状態

『正太、部室の戸締りはちゃんとした？』

「あ、やべ忘れてた。ま、いいだろ大事なもんは置いてないだろうし」

『男子の方だし私は関係ないからいいけど、もしトロフィーとか取られても正太の責任だから。じゃ、私は教室行くね』

「おう、じゃあな」

--千尋と話す時間なかったのはしゃあないか、朝練忙しいし。また放課後…--

『って一緒のクラスだから話せるじゃん』

Aは自分のクラスへと足を運ぶ

「あ、いたいたあああああ！！！」

-ビクッ！-

『やっぱ美炬じゃん。…あ、どうだった？補習』

「それがね…じゃぁ～ん！見てみて！満点！」

100の数字とピースを作る美炬の手

『お、頑張ったじゃん』

「えへへ～、私めっちゃ頑張ったの。Aちゃんともっと長く一緒に居たいから」

『ありがとう、これからは補習にならないように頑張って』

「はぁい！了解しましたー！…あ、そうだAちゃん」

『なぁに？』

美炬はAのことを見上げ何かして欲しそうに構えている

『あ～…はい、いい子いい子』

「んふふ～、ありがとうAちゃん」

『約束だしね』

そう、実は朝出会った時もし満点を取ることが出来たら頭を撫でることを約束したのだ

「Aちゃん今から教室？」

『うん、もうチャイムなっちゃうしね』

「あ、じゃあ私も一緒に行くー！」

美炬はAの腕に己の腕を絡めた

『…っと。危ないよ』

「だってAちゃんのこと好きだもーん」

『はは、会話になってないよ』

ばつが悪そうに笑っているが、Aにとっては嫌なことではなかった
Aの見た目は銀髪ショートの色白で若干の吊り目。これだけでも結構恐れられやすい

"異次元"の存在だと

カラコンを外したら極め付けにもほどがあるだろう

美炬はAの赤い瞳を見たことがある
それでもこうやって寄ってきてくれるのはAにはとても嬉しいことだった

『ありがと、美炬』

「ん？急になぁにAちゃん」

『んーん、なんでもないよこっちの話』

「え、なになに？」

『ほら行こ、遅れちゃう』

「あ、え！誤魔化さないでよ～」

『はいはい、今度ね』

「も～！！」