文学少女と見て見ぬふり ページ2
だんだん澪奈は学校に来なくなった。
少女は心を塞ぎ始め、さくら、逢沢君、彼くらいとしか話さなくなった。
話を書きたい気分にならず、部活に出ずに帰る事も多かった。
その日も、少女は部活に出ないで下校をする。
校門近くを歩いていた時、少女はふと振り返った。
『フェイク動画』
その言葉が聞こえてきたからだ。
話していたのは堀部瑠奈と西崎颯真だった。
「あのフェイク動画、誰もフェイクだって気づいてないよ」
少女は耳を疑った。
少女はマインドボイスをやっていないが、逢沢君からドーピングの動画は見せてもらっている。
もちろん少女は信じなかったが、世界中のユーザーは信じたようだ。
その動画を、あの2人はフェイクだと知っていた。
「…っ」
フェイク動画といえば、彼が以前言っていたベルムズだ。
澪奈は標的にされてしまったのだ。
「……放っとけよ」
西崎君は言い放ち歩き去る。
堀部さんはそこに立ち尽くした。
少女も立ち尽くす。
どうして？
フェイクだってわかってるのに、どうして何も言わないで放置するの？
澪奈が苦しむだけだ。
嗚呼、同じクラスでも他人は他人。
知っているのに。
澪奈は悪くないって、わかっている数少ないうちの1人なのに。
見て見ぬフリをするんだ。
少女はどうしようもなくクラスメイトが嫌いになった。
何も出来ない自分の事も、何もしないで澪奈を傷つけるクラスメイトも、何も知らない癖に澪奈の悪口を書き込む世界中のユーザーも、嫌いだ。
大嫌いだ。
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蒼炎 - こういうものは、初めて読みましたが、いつもと違う視点で見れて面白かったです！！ (2020年1月21日 10時) (
レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
hoshina(プロフ) - もにゅ。さん» ありがとうございます！！そう言っていただけで本当に嬉しいです！！ (2019年5月27日 20時) (レス) id: 5593419b1c (このIDを非表示/違反報告)
もにゅ。(プロフ) - コメント失礼します。初見ながら、号泣しながら読ませていただきました。言葉遣いや主人公の感情が詰まった作品に感動しました。素敵な作品をありがとうございます (2019年5月27日 12時) (レス) id: 644239c1b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆友梨ぃ☆
作成日時：2019年5月19日 18時
