星の雨２

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そう呼ぶんやって、


ほんまは、知ってるけど。


認めたくない。


俺は流星を好きやねんから。


濱ちゃんに失恋やなんて、あるはずないねん。






当たり前みたいに連れて来られたのは、流星のマンション。


空調の効いた部屋の中、
冷えた唇と指先に、熱が戻ってく。


そう感じた途端に、不意打ちに抱きしめられた。


肩がすくむ。


どうしてたらええ？


緊張で、身体が知らずと震えてくる。


「正直、気が気やなかった。
マネージャーとは言え、
男の一人暮らしの部屋に看病行くなんて」


流星の吐息が耳にかかる。


これ以上、踏み込まれんのは、無理やって、
心がガードしてる。


「ごめんなさい」


「望が思うより、俺、望のこと、好きやで？
ちょっと怖くなるぐらいには」


驚いて、思わず顔を上げると、

流星の翳りのある瞳と視線がかち合って、

その色の真剣さに怖気付いて、また下を向く。


「望、こっち見て？」


流星の手が俺の頬を包み込む。

流星の綺麗で滑らかな手、憧れてた。


そやけど、今は、
この手が俺を自由にしてしまえる事が怖くてたまらん。


「望が好きや。
やから。俺だけ見て？」


自分で招いた結果やのに、

こっから逃げ出したい。


けど。


自分勝手やけど、

粉々になっちゃいそうな、こんな夜に、
一人で居れる自信もないねん。


流星の顔が傾く。


唇が届く、ギリギリ手前で。


やっぱ、覚悟決まらへんかって。


力いっぱい、胸を押して逃げてしもた。


「ごめん・・・」


謝ったのは、俺やなくて、流星の方やねん。


「ごめんは俺の方。
恋人やのに、キスするの当たり前やもん。
怖くて。ごめんなさい。
俺・・・」


「それは、他の男の存在が、ここにあるから？」


流星が自分の胸を指差す。


まるで、自分の胸を指されたみたいに、ズキッとなった。


「違う、そんなんやないっ。
濱ちゃんには他に恋人おるねんもんっ・・・」


濱ちゃんを恋人として好きなんて、そんな・・・


涙が溢れてくる。


流星が俺の頬の滴を指先で拭ってくれる。


「俺は待ってるから。
望の傷が癒えて、
俺だけを見てくれる日が来るの」


「流星、けど、そんなん、悪い」

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