星の雨２

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大勢のうちの一人にはなりたくない。


「・・・流星、濱ちゃん迎えに来たから帰ります」


「しゃあないな。
けど、また二人で会お？
望が好きな場所、どこでも連れてくから」


「流星、それって、どういう？」


ふわっとした感じのままやと、


ずっと悩んでまいそうで、聞いてしもた。


「そのままやで、
デートに誘てる。
今日はいきなり部屋に呼んでもうて。
焦ってたかなって。
ちょい反省してる」


「え・・・」


「俺は望が好き。
男として意識してもらえたら嬉しい」


「あの、えっと」


大好きな人からの告白やねん。


返事なんか決まってたはずやのに。


言葉がすぐに出てけえへんかったんは、なんでなんやろ。









迎えに来てくれた濱ちゃんは、珍しく、不機嫌な気ぃする。


「ちょっと離れたパーキングに車停めてるから」


一言だけでスタスタ歩いてってまう。


「濱ちゃん、なんで迎えに来てくれたん？」


少しはヤキモチ妬いてくれたりした？


ちょっとの期待を込めて。


「・・・なんで言うて行かんねん。
望がおらんなってて、どんだけ心配したか」


先を歩いてく背中からは、
気持ちなんか、読まれへん。


「それは、濱ちゃんが悪いんやもん」


言いがかりなんは分かってるけど・・・


濱ちゃんが急に立ち止まった。


ゆっくり俺を振り返る。


「なんで俺が悪いねんな」


怒ってるかなって思ったのに、
濱ちゃんはやっぱり、いつもの優しい顔。


なんか、それに、イライラしてもうてる。


おかしいよな、俺。


「他の人と話しとったやん。
仲良さそうやったし、
邪魔したらあかんなって遠慮しただけ。
あの人、誰なん？」


「それ、は、・・・自衛隊ん時の、後輩」


なんか、変な間があったよな？


やっぱり、元カノ？


男の人やったけど、可愛いかったし・・・


「あんな、か弱そうな人が自衛官なんて出来んの？
俺でも倒せそうやったやん」


こんなしっかり見てたって。

自ら、ヤキモチしてたって、バラしてるようなもん。


「晶馬は妹、台風で亡くしてるねん。
それで自衛官になりたくて。
向いてなくて苦労はしてた。
俺より先に辞めてもうたけどな」


「ふ、う、ん」

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