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「A!昨日はサンキューな!」
次の日、教室内で早速お礼を言われた。最近は朝練の関係で一緒に投稿していない。それはそうと、メールでもお礼を言ってきたのに、この辺はしっかりしたやつだ。
『ううん、全然。それより、練習の邪魔しちゃったかな、?』
「?いや?」
夕はその後ピンと来たのかあ!と声を上げた。
「監督か?あの人、いっつも怖えから大丈夫だ!」
何が大丈夫なのか分からないが邪魔してないならいいだろう。多分。
「監督、おじいちゃんだからいつまで烏野見てくれるか分かんねぇけど、次の大会は、絶対勝つ。」
その顔は本気だった。黒い瞳の奥が燃えている。
「そうだA!次の試合見に来てくれよ!うちのエースすげーんだ!顔はイカついのに中身ヘナチョコで……」
だが、それも束の間。目を輝かせ、身を乗り出して叫ぶ彼。
『……日によるかな。私も、絵、描かないとだし。』
「あ、そっか!Aにもコンクールがあるんだもんな!」
その屈託のない笑顔が苦手だ。
「お互い頑張ろうぜ!」
そのひねくれを知らない声が苦手だ。
「目指すは優勝!」
その、前を見る姿勢が嫌いだ。
『……うん。そうだね。』
今日も、無理やり頬を動かして笑顔を作る。
『賞とったら、見に来てよ』
「おぉ!もちろん!賞とらなくてもAの絵は見てぇ!」
あ、とまた彼は零した。
「まぁ、Aのことだからそれはないか!」
『…………うん、そうだね。』
あー、嫌いだ。
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な(プロフ) - ♡ (2022年12月25日 20時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)
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