【完結】Sacrifice / KnightA

いつか終わりが来るのなら、 ページ21

❤️🌸
来ない事を願うのは当たり前なんだけど、でも「もの」はいつか壊れてしまうから、必要なくなってしまう時が来るから、その寿命を伸ばすように今日も従順の愛を贈る。

「ほら。こっち、おいで。抱きしめてあげる」
「うんっ────……」
「今日もいい子だねぇ、……ずっとすきだよ」
「うん、」

彼の腕の中。まだ、ここに居たいと願う。それでも、終わりが来るのなら『どうか、あなたの手で終わらせて』。



💖🌸
つい考えちゃう。「始まる」ってことは「終わる」ことがあるということ。その時、きっと自分が耐えられないことを知ってる。分かってる。

「あ、ほら。まだ髪濡れてるよ。こっち来て？」
「はぁーい！」
「もう。自分で乾かしなよ？」
「……はぁーい」

彼が触れる髪。この穏やかな幸せにも終わりがあるのなら、まるで初めからなにもなかったかのように『今、この瞬間も忘れちゃうのかな』。



💙🌸
優しいあなたはきっと自分を責めて悲しんでしまいそうだな。なんて思ってしまう。人一倍優しい人だから。でもそんなに自分を責める必要なんてないのよ。

「もうAちゃんと出会って随分と時間経ったんだね〜！」
「ええ、そうね」
「これからもずっと一緒だよ？」
「ええ。……そうね、」

別れるつもりは一切ないわ。でも、人には寿命があるから。いつか離れ離れになる時は『「良い思い出」と笑ってね』。



💛🌸
最低な終わりを向かえたい。「ウザい」って思われてもいい。「憎い」って思われててもいい。ただ、最後の最後まであなたの中に存在してたい。

「はい。ココアで良かった？」
「ありがとぉ〜！」
「最近寒くなってきたからちゃんと暖かくして？ これ、ブランケット」
「……ありがと」

好きで居なくたっていい。いい子じゃなくても全然平気。思い出して私を忘れないように『全部ぜんぶ、私の事嫌いになって』。



💚🌸
幸せか？ ────……まあ、そうかも。楽しいか？ ────……まあまあ楽しいかも。素直になれない私だからきっと、呆れちゃうことも多いよね。ごめんね。

「……最近太った？ やけにお肉が……」
「は？ うっざ」
「いやいや、ごめんごめん！ 大丈夫、かわいいから……！」
「は、はぁ？ ……うざ、」

プラスの言葉がなかなか口から出てこない。こんな女と一緒に居るとやっぱり、幸せに出来ないから、終わりが『来る前に、全部私が終わらせたい』。

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