【完結】Sacrifice / KnightA

お菓子はいいからお前くれ ページ17

❤️
「はぁ？ そんなんじゃなくって、もっといいモノ欲しい」

Trick or Treatの後に彼女が律儀に用意したお菓子はポイッされた。結構自信作だったのにちょっとうるうる。

「いいモノ……？」
「そ。……俺が今一番欲しいもの。お前ならくれるでしょ」
「え？ えっと……、クッキーじゃなくてチョコレートの気分だった……？」
「ははっ、ばーか。違うよ。……お前が欲しいって言ってんの」



💖
「あ、お菓子用意しちゃってたんだ……」

基本行動するの面倒くさがりな彼女だから用意してないかなって思ったんだけど、そうだった。イベント事大好きだったの忘れてた。

「なにー？ あっ！ もしかしてー、いたずらしたかったとか？」
「そりゃあハロウィンの醍醐味だからね」
「お菓子を貰うのが醍醐味なんじ……？！」
「お菓子隠しちゃったー。……持ってないからイタズラ。してもいいよね？」



💙
「あれれ？ お菓子、もしかして持ってないの〜？？」

確かに準備してたはずなのに気がついたら手元から無くなってる。手癖の悪い坊やだねっ！ 全く！！ って、これ、結構ピンチかも……？

「ちょ、さっきまではあったのよ？？」
「えぇーー？ でもないじゃーん！ あははっ」
「まっ、まって。お菓子買ってくるから……っ」
「ううんっ。いらない。……それよりも僕は可愛い君にいたずらしたいな？」



💛
「うーん、お菓子よりもAの気分かな」

初めからそうでしかないくせによく言うぜ。甘い空間に身を任せて彼女の頬に手を添える。かわいくて甘そうで、まるでマシュマロみたいな彼女に口付ける。

「お菓子があるんだってばっ……！！」
「うん、でもちょっといたずらの気分」
「最初からそうじゃん……っ！！」
「ははっ。バレた？ ……でもごめん。我慢できそうにないからさ」



💚
「あれェ〜？ もしかして今日ハロウィンだって忘れてた感じ？」

そんなこと気にする歳でもないし、日本人が海外の文化取り入れてんじゃないわよ！ と思っている彼女。お菓子がないからいたずらだよ？

「だいたい、お菓子もらって喜ぶ歳じゃないでしょっ」
「だから、菓子はいらねェ〜って」
「は？ じゃあなにが」
「オマエ。……食っていい？」

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