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【過去】
彼には双子の姉がおり、漫画などでありがちな展開で親は姉の方を常に優先していた。しかし彼は「姉のほうが自分よりも事実優れているから。」と、我慢していた。そんな両親でも姉でも、かけがえない家族なので彼は大好きだった。
暴力などの虐待はしない親達だったが、カナトとの約束を破ることがとにかく多かった。そのせいで彼は、人間はいつでも嘘を吐く、嘘は吐いていいものと認識するようになってしまった。
17歳の誕生日に、彼の祖父母と両親がいるホテルが焼けてしまい、姉以外血の繋がりを持つ者がいなくなってしまった。たまたま二人は外のビーチに散歩していたので難を逃れた。実はホテルに火を付けたのはカナト。しかし両親を失い泣きじゃくる演技をしているカナトが放火犯だとは誰も気づく事ができなかった。それが彼が初めて吐いた小さな嘘とは罪の重さが違う、大きな嘘である。
彼がホテルを放火した理由としては祖父母が両親に対して、「カナトが存在する理由はあるのか?」と聞いたところ、両親は即「理由などない。双子の姉が弟が好きだから縁を残しているだけ。」と答えた。それが原因で彼は今まで我慢してきたことをアホらしく思い、姉を散歩に連れてその隙に火を付けたという具合である。
そして18歳の誕生日、彼は別居していた姉にじさつスポットである大きな高い橋に呼ばれる。そこで姉はカナトに「両親と祖父母のいるホテルに火を付けたのはカナト?」と聞く。実は姉はカナトが火を付けていたことを知っていたのだ。彼は両親や祖父母のことは嫌いだったが、自分よりも優れていながら優しい姉が大好きだったので、真実を教えた。すると姉は自分のせいでカナトが罪を犯したということで自ら橋から落ちた。それに絶望したカナトも姉と一緒に落ちるが、姉の死体がクッションとなり右目が潰れるだけで済んだ。
病院で目覚めた彼は、自分の右目が潰れていることに気づき、そして姉が死亡していることにも気づいた。彼はこっそり姉の死体から右目を拝借し、医師にその目を義眼にしてほしいと言う。姉の瞳の色はカナトの黒色とは対照的な銀色なので、オッドアイとなった。
放火の際は、一人カナトが火を付けているのを目撃している者がいたがその人物も火事に巻き込まれ死亡。姉が自ら身を投げ出した事件の際もカナトが警察に疑われなかった理由は姉がたまたま友人に遺書を送っていたから。彼は人の命を奪っているが、一回も疑われたことがない。
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作者名:ほぴろー | 作成日時:2021年1月15日 22時