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ラウールが目を覚ました時、日は思っていたより高い所まで昇っていた。
ベッドでは深澤が寝息を立てている。ラウールは特に何をする訳では無いが、床に敷かれた布団から出て立ち上がった。
どうしても落ち着かない。優しくされると落ち着かない体になってしまっていた。
ここまで大切に扱われると逆に不安になる。これからまた別の所に売られるのかもしれない。
彼の自己紹介はしてもらったが、どんな仕事をしているのかは何も聞かされていない。
そもそもどうしてあの家に来た。彼等は何らかの目的で夜中に大臣の家に忍び込んだ、そういう事だ。そんな仕事、ろくなものとは思えない。
＿＿冷静に考えればこの人達を信用するのは危険……でも。
そう思いきれない何かがこの人達にはある、気がする。
fk「んー……あ、おはよ」
逡巡していると目の前の深澤が目を覚ました。なんとなく、会釈する。
彼が目を覚ましたのと同時に腹の虫が鳴いた。出所はラウールの腹だ。
fk「はあっ……えいうぅあ」
飯食うか、と深澤は言ったつもりだったが、欠伸のせいでラウールには伝わっていない。
ぼさぼさの頭をかきながら深澤が部屋を出る。
おいで、と言われてやっとラウールは足を動かし始めた。
fk「はぁ……誰か起きてっかなあ、舘さんか康二がいればなあ」
だらだら階段を降りた先、リビングでちょうど食事をしていたのは岩本、阿部、そして向井。
深澤の後ろにラウールが続いているのを見て彼等は安堵した表情を浮かべた。しかしラウールは怯えた表情を浮かべた。
深澤は彼の表情に気づいて、わざとらしく向井に声をかけた。向井達も瞬時に察して深澤に合わせる。
fk「康二ー、今日のご飯なーに!」
kj「今日はなあ、ミネストローネやで! 消化ええもん作った」
fk「朝からそんな手の込んだもんよく作るな」
kj「切って煮るだけやで」
iw「うまいぞ」
ab「よかったら……一緒に食べよ」
阿部がラウールに優しく声をかける。ラウールはしばらく迷った後に首を縦に振った。立ち込める良い匂いと本能的な食欲には勝てなかった。
顔を綻ばせた向井がぱたぱたとキッチンに消えていく。阿部がソファの空いている所をぽん、と叩いて座るように促した。
深澤に連れられてラウールが戸惑いながら席に着く。それを見計らって戻ってきた向井の手には、湯気の立ったスープ皿が二つ載った盆が握られていた。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
