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彼は手術後に着せられた服のまま、酒瓶を片手に夜の街を徘徊していた。
目的がある訳では無い。あるとすれば、ただ誰かに殺して欲しい。
自分で死ぬのは楽で簡単だ。しかし、こんな罪人があっけなく死ぬなど許される訳が無い。
誰かにいたぶられて、苦しめられて、地獄を見せられながら死にたかった。そんな死に方が自分にはお似合いだと思った。
おい、と突然声をかけられて振り向くと、首筋から強烈な痛みと痺れを感じて意識が飛んだ。
意識を戻した時に感じたのは、両手両足の縛られた感覚と全身を襲う鈍い痛み。
男達が、何やら暴言を吐きながら自分に暴力を振るっていた。
あいつはまだ生きているじゃないか。報酬を先に払ったのに。使えない。あの子が可哀想。
聞こえてくる暴言を酒に塗れた頭で整理して、この男達が自分の依頼主である事を察した。泣かされた女のために復讐を企てたらしい所までは推測できた。
あれは前金じゃなくて報酬の全額だったのか。あんな端金であいつらの相手をさせようとしたのか。
しかも理由がくだらない。ただ女が泣かされただけじゃないか、復讐なんて軽々しく言うな。
そんなに女が可愛いなら、文句を垂れる暇があるなら自分で殺しに行ったらどうだ。
そもそもお前らは女の何なんだ。どうせ女に言いように使われてるだけじゃねえの。
思いついた文句を目黒はできる限り音にした。その度に殴られ、痛めつけられた。
腹を蹴られて、酒が逆流するような吐き気に襲われる。
左肩に刺すような痛みと湿り気を感じた。きっと傷口が開いた。
口の中に血の味が滲んで意識が朦朧としてきた。そうだ、その調子だ。
嬉しかった。もうすぐ死ねると思った。もうすぐ家族の所に行けると思った。
＿＿違う、家族なんていないのか。馬鹿だなあ、俺。
考える事すら億劫になってきて、ただ全身に増える痛みに身を任せた。
「目黒!!」
誰の声かよく分からなかった。自分の名前を呼ばれるだなんて、聞き間違いだと思った。
こんな廃屋にヒーローよろしく助けにくる奴なんている訳が無い。しかもそこにいる人間には助ける価値などない。
なのに、なんで。どうしてこの場所が分かった。どうして追いかけてきた。
＿＿なんで4人も、こんな俺の事を助けに来たんだ。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
