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岩本と深澤が病室に入った時、彼は体を起こして外を眺めていた。
2人が入ってきたのを見ると、彼は眉間にしわを寄せて露骨に敵意を剥き出しにした。
fk「……ちょっと待ってよ、俺達はただ話がしたいだけ」
岩本と深澤は静かに彼の側に座った。
彼は黙ったまま何もしない。彼は全身ボロボロな上に、勝手にいなくならないようにと武器を先生に取り上げられている。抵抗したくても出来る状況ではない。
fk「ねえ、何で俺達の仲間を狙ったの」
「……依頼が来たから」
fk「誰から」
「さあ、」
iw「しらばっくれんな」
「知りませんよ……知ってても言わねえけど」
fk「だよねえ……」
彼と話をしながら岩本と深澤は改めて記憶を辿る。しかし思い当たる節は出て来ない。
fk「じゃあさ、君の事教えてよ」
「……は?」
男は意味が分からないと言った様子で深澤を見つめた。当然といえば当然の反応である。
fk「実は……俺達、君の事を知ってる気がするんだよね。でも思い出せなくて」
「……へえ」
fk「……俺達の身を守るためにはここで君を殺すべきだと思う。でも君が俺達の知り合いなら話は別、殺すどころか仲間にする事だって考える」
「はっ、」
fk「……俺達の事知ってる?」
「……変わってないんですね」
嘲笑の目を深澤に向けた彼は、低い声で吐き捨てた。
「……偽善者」
fk「……!!」
偽善者、彼にそう言われて深澤の記憶が突然蘇った。
昔＿＿施設で窃盗犯扱いされた頃、中学生くらいの子が施設に来た。
彼は常に独りだった。窃盗犯と言われた自分が近づくのは良くないとも考えたが、あまりにも独りでいる彼を見かねて深澤は彼に話しかけに行った事があった。
その時彼が言い放った言葉。哀れな窃盗犯の分際で仲良しごっこなんて、そんなの。
＿＿偽善者。
同じ表情で同じ言葉を彼に言われた。そうだ、彼は。
fk「目黒……蓮、くん」
iw「え……?」
fk「施設にいたよね、そうだよね」
男＿＿目黒は深澤から目を逸らしてため息を吐いた。否定はしなかった。
岩本は思わず深澤を見た。深澤は目を見開いて固まっていた。
動揺していた。同じ施設にいた子が、真っ当に生きていくと思っていた子が自分達のようにこっちの世界に足を踏み入れていたから。
何故。何があった。自分達のように足を踏み外すしかない事情でもあったのか。
fk「……なんで、こんな所に」
mg「話す義理はありません」
fk「でも、」
mg「俺は誰も信用しない」
目黒は冷たい声で呟いた。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
