検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:35,566 hit

粛清 ページ9

Aside



そらる「それじゃあ行こうか」



翌日、少し遅めに起きてきたそらるさん

志麻さんから聞いていたのか、まふくんのところへ行くらしい

簡単に身支度を整え、昨日と逆の手順でマンションの一室に帰る

そしてそのまま玄関から外へと出る


昼時だからか、外には昨日よりも人がいた

買い物を楽しんでいるお姉さん

仲良く歩く老夫婦

そして楽しそうに話しているお兄さんたち

すれ違う人はみんな一様に笑顔で、幸せそうだ


周りを見回しながら歩いていると、突然目の前に巡回ロボットが立ちふさがった



『ドウカサレマシタカ?』


A「え、いや…別に…」


『就寝時以外ハ笑顔ヲ保チマショウ』



予想外のことに訝し気な顔をすると、青く光っていたロボットの液晶画面が赤く染まった

追い立てるように同じことを繰り返し言い出しすロボット

そらるさんはそれをなだめるように、ただ一言「まふ」とだけ呟いた

本当に小さな声だった

だけど、小さな声だったにも関わらず、ロボットはさっきまでのが嘘のように画面を暗くして静かになった

それから幾分もしないうちに再起動でもしたように再び青い画面が移された



『全テノ人ガ平等ニ 全テノ人ガ幸セニ 良キ世界ノタメ』


そらる「良き世界を作るため」



そらるさんがそう言うと、ロボットは満足気に浮遊しどこかへ消えていった



そらる「…危なかったね」


A「今のは一体……」


そらる「……秩序を守る巡回ロボット。行こう」



短くそう答えると何事もなかったかのように歩き出した

そらるさんが向かう先に見えるのは、街でたったひとつだけそびえたっている一つの建物

建物と言っても窓ガラスというものがほぼなく、上のほうにぐるりと一周貼ってあるだけだ


その塔の根本が見えるところまで来た時、大きな声で何かを言っている人が道路の中央にいた

男の人だろうか…遠目からだがまだ若く見える…

彼の影響で道路を走っていたバスが足止めをくらっていた

それに比べ歩いている人は彼には無関心だ



『警告、警告。笑顔ヲ保チナサイ。声ヲオサエナサイ。歩道ニ上ガリナサイ。言葉ヲ慎ミナサイ』


そうアナウンスしながら巡回ロボットが数体、彼の回りを飛び交っている

しかし彼は警告と言われているものをすべて無視した


「こんな世界間違えてる!!なにが理想郷だ!!なにが指導者だ!!法条なんてクs…」


その瞬間、彼の身体を何かが貫いた

男性は断末魔もあげず、その場に倒れた

我慢→←代価



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (68 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
141人がお気に入り
設定タグ:歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

橘 緋奈 - サクシャサン、ガンバッテクダサイ、コウシンタノシミニシテマス。応援してます!!(*´ω`*) (2020年2月25日 10時) (レス) id: c7e8b0e732 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - サクシャー。ガンバッテー。コメ欄のノリに乗ってみました、更新頑張って下さい( ^ω^)ノシ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - サクシャー、コウシンタノシミニシテルヨ。応援してます!! (2020年2月24日 21時) (レス) id: ea8e5cf766 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃー - ガンバッテクダサイ、サクシャー。応援してます!! (2020年2月24日 18時) (レス) id: 37819c746e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:武蔵野 三歩止(ムサシノ ミホト) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月31日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。