検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:35,562 hit

衝撃 ページ21

Aside


部屋に入り、机の上にノートと置時計を置く

時計を直せるような工具はないものかと辺りを見回すが、

それっぽいものは見当たらない


さっき彼らに聞いておけばよかった

今更後悔しても遅いのだけれど…

踵を返して部屋を出ようとした時、椅子の上にバッグが置いてあるのを見つけた

なんだか見覚えのあるもので…

私はそっと近づき、慣れた手つきでチャックを開いた


バッグの中に手を入れ適当に手に着いたものを引き出す

出てきたのは運のいいことに工具の入ったポーチだった

バッグを椅子から下ろし、工具を手に机に向かう


えっと…確か…

針がとれて、音が鳴らなくて、ランプもつかないって…




A「もう…何回目よ…」




不意に口から出た言葉

気づけば上がってる口角

全てが無意識だった


時計の修理は思ったよりもすぐに終わった

時間を合わせ、しっかり動いていることを確認する

既視感はあるが記憶はない

これもまた抜け落ちた記憶の一つなのだろうか…

…私の記憶はどうなっているのだか


そうは思うものの気持ち的に焦りは感じない

置きっぱなしにしていたノートへ手を伸ばす

私にとって記憶は大した価値を持たないものなのしれない

どこかでそんなことを思いながら、表紙をめくる

どうやらこれは日記のようだ


一番初めの日付は今から数年前

どうやらこの世界の始まりから書き始めたようだ

AIの進化、ロボットの普及、法律の改定

私の記憶にある通りのことが綴られている


次のページを開こうとした時、

手が滑っていっきにページがめくられた

どうやら一部だけページが抜き取られていて、そこに指が持ってかれたようだ


元のページに戻ろうとしたとき、ノートに書かれた文字に目が留まった

たった数文字。

10文字にも満たない文字列に視線が止まり、私は動けなくなった

頭の中で繰り返される文字

それの意味を理解した時、

私はノートとバッグを持って部屋を飛び出していた



向かう先はただ一つ



――――――中央制御塔

予定外→←期待



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (68 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
141人がお気に入り
設定タグ:歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

橘 緋奈 - サクシャサン、ガンバッテクダサイ、コウシンタノシミニシテマス。応援してます!!(*´ω`*) (2020年2月25日 10時) (レス) id: c7e8b0e732 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - サクシャー。ガンバッテー。コメ欄のノリに乗ってみました、更新頑張って下さい( ^ω^)ノシ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - サクシャー、コウシンタノシミニシテルヨ。応援してます!! (2020年2月24日 21時) (レス) id: ea8e5cf766 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃー - ガンバッテクダサイ、サクシャー。応援してます!! (2020年2月24日 18時) (レス) id: 37819c746e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:武蔵野 三歩止(ムサシノ ミホト) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月31日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。