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違和感 ページ12

Aside



A「ま、ふくん…?」



エレベーターの扉の先には、髪を白く染めた細見の彼が立っていた

途切れ途切れに名前を呼ぶと、変わらない笑顔を見せてくれた




まふまふ「久しぶり…かな…?元気だった?」


A「う、うん…まふくんこそ…」


そらる「……とりあえず部屋に行こう」




そらるさんの一言で思い出したかのように動きだす私たち

まふくんについて歩いた先は、一つの大きな部屋だった

元も広い部屋なのだろうが、壁一面がガラス張りになっていることから尚更開放的に思える



まふまふ「外…見てみる?」


A「え…?」


まふまふ「ずっと窓の方見てたから…」


そらる「見ておいて損はないぞ。俺らしか見れない景色だ…」


まふまふ「もう…嫌味ですか?そらるさん」


そらる「いや、別に」



肩をすくめて見せるそらるさんを横目に、窓から外を見る

どうやらここを中心に放射状に道が広がり、建物が立っているようだ

さっき歩いてきた道はこの塔の真正面に位置し、ひと際広い通りだった




まふまふ「…綺麗でしょ?同じものが等間隔に並んでいて……」


A「綺麗だけど…少し気味が悪い」


まふまふ「……ハハッ…そっか……気味が悪いか…」




ぐるりと街を見回すと、街から少し離れたところに別の建物の集団が見えた

街の建物とは形が違うように見える…



A「ねぇ、あれはなに?」


まふまふ「うん?どれ?あー…あれはね、学園都市だよ」


A「学園都市ってことは…学校があるの?」


まふまふ「そう。保育園から大学まで。成人を迎えるまでは親元を離れてあそこにいるんだよ」


A「…なんで?」


そらる「出る杭を打って、出ようとする杭を打ち付けるためだよ」


まふまふ「そらるさん」


そらる「隠したってしょうがないでしょ?」




肩をすくめて見せるそらるさんと、そんな彼を頬を少しだけ膨らませて見やるまふくん

どこか違和感を感じたけど気のせいだろうか…




A「ねぇ、まふくん…まふくんは…ここで何をしているの?」




中央制御塔と呼ばれるところにいて、

みんな平等を謳う世界で一人、街を見下ろすところにいる


外を見ていた視線を横にいるまふくんに移すと、どこか悲し気に微笑んでいる彼がいた

だけどそれも一瞬で、彼はすぐにどこか遠くを見るように窓の外を見た





まふまふ「この世界が…僕の望んだ世界だ」

困惑→←到着



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橘 緋奈 - サクシャサン、ガンバッテクダサイ、コウシンタノシミニシテマス。応援してます!!(*´ω`*) (2020年2月25日 10時) (レス) id: c7e8b0e732 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - サクシャー。ガンバッテー。コメ欄のノリに乗ってみました、更新頑張って下さい( ^ω^)ノシ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - サクシャー、コウシンタノシミニシテルヨ。応援してます!! (2020年2月24日 21時) (レス) id: ea8e5cf766 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃー - ガンバッテクダサイ、サクシャー。応援してます!! (2020年2月24日 18時) (レス) id: 37819c746e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:武蔵野 三歩止(ムサシノ ミホト) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月31日 14時

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