波乱万丈 ページ12
Aside
チャイムが鳴る。
四時限目が終わったチャイムだ。
一気に疲れが出てきた。
また大きなため息をついてしまう。
これほど勉強がはかどらない日は私にしては珍しい。
憂鬱な気分になりつつも、かばんから弁当箱を出す。
冷凍食品を溶かしただけの茶色い弁当。
まあ、味はしっかり美味しいからいいか。
「お!Aちゃん、一緒に弁当食べようよ〜」
『あ、坂田もお弁当なんだね。』
「せやせや、学食も美味いけどさ、やっぱり手づくりが1番やな!」
『へー』
「Aちゃん、興味無さそうだわ〜」
やっぱり坂田と喋っているとだいぶ落ち着く。
ついさっきまで朋花が友達といたはずだが、学食を食べに行ったのか、クラスにはいない。
他の生徒も同様に、ほとんどが学食みたいだった。
『お弁当って、珍しいのかな?』
「あ〜、ここの学食ってさ、シェフが作ってるから、すごい美味しいって評判なんだって」
『そうなんだ。知らなかったなぁ。今度買いに行こうかな』
「おう!行ってみたいよなぁ、1回くらい!」
『坂田さっき、お弁当が1番って言ってたじゃん』
冗談めかして笑ってみせると、「そうかな」っと言って坂田さんも笑った。
こんな時間が1番楽しい。ずっと笑っていたいけど、終わりを告げる鐘は鳴った。
そんなこんなで、また一日が終わった。授業も予習のおかげでスムーズにわかったし、朝の件以外で気になることは無かった。
「ふぅ、疲れた」
みんなも帰り始めるタイミングで、隣に座っている坂田を見る。
「アレ?」
坂田の姿はない。
そういえばなんか会があるって言ってたっけ?
ぼっち登校の次はぼっち下校か。
またため息をついて教科書でいっぱいのカバンを持つ。
ぼっちを見られるのは恥ずかしいと本能的に感じて、皆が帰りきったタイミングで教室を出る。
階段にも、廊下にも、誰もいない。2年教室もそうだ。
と思ったその時、後ろから手首を誰かに掴まれた。
そのままひっぱられ、強引に2階の空き教室に連れて行かれる。
頭が真っ白になりながらも、抵抗する。
『なんなんですかっ?誰なんですか?』
音を立てて扉が開き、さらにその奥に2人の影を見た。
もう顔も真っ青だろう。
「こんにちは」
やけに高い声が空き教室に響いた。
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猫(プロフ) - 私は待ってますよ!! (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 続きは出さないんですか?? (2020年12月14日 0時) (レス) id: f6b1fd4935 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 最高です!! 続き待ってます! (2019年11月20日 23時) (レス) id: 5cebca09c0 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 続き楽しみにしてます!本当に大好きです!! (2019年8月17日 13時) (レス) id: 91adf27aab (このIDを非表示/違反報告)
Re(あーる)(プロフ) - あぁ〜!めっちゃ好きです!続き楽しみにしてます! (2019年8月9日 22時) (レス) id: e1df8226ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほのぴん。 x他1人 | 作成日時:2019年3月30日 18時