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37話 ページ39

絶対オススメしないが、
私は安全ピンで開けた。

と言うか、安全ピンでは開けない方が良い。


痛い。マジで痛い。
と言うか痛いとかそれ以前に危ないので
ピアッサー買って
病院で開けて貰った方が絶対良い。



え?分かっててなんでやったのかって?

…やんちゃしたくなる時期ってあるじゃん。
それだよ、それ。

物凄く後悔してる。
8個全部安全ピンだけど。



「耳小さい…」


『そりゃ、夏油に比べたらね』



男女の差と申し上げますか、
個人差と申し上げますか。

冷たい指が私の耳を弄る。



あー…なんか照れるかも。


するすると指が耳の裏を這う。

ぞくぞく、と背中に何がが迫り上げる。

あああ、だめだめだめ。

これは恐らく興味心で確認、
スキンシップ、友愛と好感度の証、
だから他意はないんだよ。



私が願うような何かはないの。
勘違いしては、期待してはいけない。



だんだんの人が乗り込んで混んでゆく。

既に人は行きの時よりも多く、
身動きが取りにくくなっている。


電車の扉が閉まってまた動き出す。


機械質なアナウンスを夏油に
ふにふに触られながら上の空で聞いた。





ーーこの先、カーブが多くなっております。
お立ちのお客様はご注意くださいませ。





そのアナウンスの直後、
急にガタンと大きく車体が揺れた。



「わっ!」



夏油の奥で驚いたような悲鳴が上がる。

どん、と大きな音を聞いて、
夏油の体がこちらへ傾いてくる。








ー、全てはほんの一瞬の事だった。









ぶつかられたのだろう、
夏油の体が私を覆うように倒れ込んでくる。


衝撃に耐えられず、急速な速度で
夏油との距離がぐんと近くなった。



…あ、やば、これもしかして
当たるかもしれない。



この場は満員電車。

言わずもがな、逃げ場はない。





夏油の唇と私の唇が、一瞬、
ほんの一瞬だけ触れた。

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設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑 , 五条悟   
作品ジャンル:ラブコメ
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chiaki0708(プロフ) - わぁーーーーぁーーーすっっっっごく良きな作品でした!!!夏油さん推しの方是非!!読んで欲しい!!!! (2022年1月17日 8時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - 古高 カスイさん» コメントありがとうございます!完走までお付き合いいただき、本当にありがとうございました…!すみません、気がつきませんでした。急遽修正いたします。ご報告ありがとうございました…!! (2021年3月10日 20時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
古高 カスイ - 完結おめでとうございます!!お疲れ様です。あとがきの1行目が、めまして、になってます。新作も読ませていただきます。 (2021年3月10日 20時) (レス) id: 4f2d26b0e9 (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - 古高 カスイさん» コメントありがとうございます!コメントをいただけると執筆が捗ります☆そうですね、神様は優しくて優しくないって誰かが言ってたような…。展開は遅めですが、これからも更新頑張ります! (2021年3月6日 7時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
古高 カスイ - バレンタインの神様って、優しいのか、意地悪なのか、わからないですね(笑) わーい!!やっと二人がキスした!!嬉しい!読んでて楽しいです!更新頑張ってください。 (2021年3月5日 23時) (レス) id: 4f2d26b0e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白揚羽 | 作成日時:2021年2月25日 15時

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