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29話 ページ31

現在時刻は
約束の時間の5分前。

夏油の今日の服装は
いつもの私服とちょっと雰囲気が違うが、
良く似合っているものだった。

私は夏油の元へと駆け寄る。


「走ると危ないよ?」


『流石に転ばないから〜』



よしよし、と頭を撫でる夏油に目を細める。



まるで子供扱いだ。
…けど、それでいい。
遠ざけられるより全然いいじゃないか。



まあ、ちょっと悪戯心は湧くが。



私は悪い笑顔を浮かべて夏油に手を伸ばした。
背伸びをしながら夏油の頭を撫でる。



『子供扱いは良くないなぁ〜??』


「あ、あはは…ごめんって」



目をそらしながらそういう夏油の言葉は
だんだんと尻すぼみになっていく。
顔は先ほどと比べると僅かに赤い。


あれぇ??照れる??なんか可愛い〜。


性格が悪いと言うことなかれ。
好きな子を揶揄いたくなるのは
世の中の真理だろ!?ねえそうでしょ!?



例え、それがただ単純に
子供扱いされたから
照れているだけだとしても…。



「じゃあ行こうか」


『はーい』



夏油と共に外へ出る。


春らしさすら感じさせるくらい
温かい日差しが心地いい。


気分はどうしようもなく晴れやかだった。


***


最寄りの駅の構内へ入る。

休日だからか、それとも別の要因か、
いつもよりもずっと人が多く見える。

案の定電車は満員だった。


「あー…混んでるね」


『まあ休日だしね』


電車に乗り込むと夏油が
庇うように1歩前に出た。


洋服の袖を夏油はつまみ、
そのまますいすいと奥の方ー、
あかない方の扉の前まで進んでいく。



「…ここなら、人も多くないし」


『きゃ〜。ありがとう!紳士!!』


「言いすぎじゃない?」



くすくす、と笑う笑顔はちょっとだけ幼い。



背中側に扉、向かい側に夏油を感じながら
ガタンガタンと揺れる電車に身を任せた。

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設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑 , 五条悟   
作品ジャンル:ラブコメ
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chiaki0708(プロフ) - わぁーーーーぁーーーすっっっっごく良きな作品でした!!!夏油さん推しの方是非!!読んで欲しい!!!! (2022年1月17日 8時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - 古高 カスイさん» コメントありがとうございます!完走までお付き合いいただき、本当にありがとうございました…!すみません、気がつきませんでした。急遽修正いたします。ご報告ありがとうございました…!! (2021年3月10日 20時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
古高 カスイ - 完結おめでとうございます!!お疲れ様です。あとがきの1行目が、めまして、になってます。新作も読ませていただきます。 (2021年3月10日 20時) (レス) id: 4f2d26b0e9 (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - 古高 カスイさん» コメントありがとうございます!コメントをいただけると執筆が捗ります☆そうですね、神様は優しくて優しくないって誰かが言ってたような…。展開は遅めですが、これからも更新頑張ります! (2021年3月6日 7時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
古高 カスイ - バレンタインの神様って、優しいのか、意地悪なのか、わからないですね(笑) わーい!!やっと二人がキスした!!嬉しい!読んでて楽しいです!更新頑張ってください。 (2021年3月5日 23時) (レス) id: 4f2d26b0e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白揚羽 | 作成日時:2021年2月25日 15時

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