及川さんの話 ページ19
及川 side
中学3年
越えられない壁、牛島若利と
背後に現れた天才、影山飛雄。
その存在に追い詰められて、バレーがキツくて苦しいって思っていた頃。
とある練習試合で俺がベンチに下げられて、飛雄がセッターとして試合に出た。
その時に、ある女の子が連れの男子に話しているのが聞こえてきた。
"及川さんってバレーしてる時、全然楽しくなさそうだね"
その言葉が図星だったからなのか、心にグサッと刺さったような気がして、反射的に2階の応援席に目を向けた。
他校の制服を着ていて、歳も名前もわからなかったけれど、その時の発言に無性に腹が立って頭の隅に彼女の顔がインプットされた。
ご存知の通り、その日の試合終わりの自主練で岩ちゃんに頭突きされて、鼻血出して、
「6人で強い方が強い」を俺は知った。
そして中学最後の公式戦
ベストセッター賞を獲得したその試合で、"例の女の子"と連れの男子は俺たちの試合を見ていた。
うわぁ、またあの子だ…と少しの嫌悪感を抱きながら応援席の声に耳を傾けていると、
"今日の及川さんは楽しそうだったね、こっちの方が絶対にカッコイイな"
と言っているのが聞こえた。
前回との発言の差に驚いてまた反射的に彼女の方を見ると、目が合った。
連れの男子は「やばいって、今の本人に聞こえてたって…！」と慌てふためいているのに対し
当の本人は慌てるどころか笑顔で俺にピースを向けてきた。
『今日の及川さん、1番かっこよかったです！』
ｽﾄﾝｯて落ちた。
正直で真っ直ぐで、爽やかなその子に
その瞬間、完全に落ちた、恋に。
再びその子の顔は俺の頭の中にインプットされた。
でもそれが中学最後の試合だったから、もう会えることもないと諦めていた。
名前も、歳も、学校も分からない一目惚れのようなもの。いつしかその記憶は薄れて行って、忘れかけていた。
高校2年の春までは。
『マネージャーとして入部します、本村Aです。中学でもマネージャーしてました。よろしくお願いします！』
新入生の中に、"例の女の子"はいた。
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奈々(プロフ) - 完結おめでとうございます！この物語で何度笑ったか分かりません(笑)最後すごくキュンキュンしました、、、新作の方も読ませていただきます！ (2020年5月4日 14時) (
レス) id: b6498fcbd9 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - もんのすごく続きが気になります！！この作品大好きです！更新頑張ってください！(*^^*) (2020年3月10日 2時) (レス) id: afedd33c71 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - ただただ妨害しながら爆走しているゲームの表現の仕方が好きですw (2020年1月15日 15時) (レス) id: 25609cba70 (このIDを非表示/違反報告)
ドクソン(プロフ) - この作品により、私の腹筋がとても鍛えられました（笑）むちゃくちゃ面白いです！！マッキィィイ！！！ (2019年4月3日 14時) (レス) id: 0e59c5458d (このIDを非表示/違反報告)
h - 超面白いですね！これからも更新頑張ってください！国見は果たして夢主ちゃんのことが好きなのだろうか？←切実な悩み (2018年9月9日 10時) (レス) id: 6ab73f8688 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちねこ | 作成日時：2017年9月17日 16時
