【宮侑】後輩に弱みを握られた【北信介】

episode49 ページ49

あの日からまた、いつも通りの学校生活が始まった。










「侑と仲直り出来たらしいな」



『えっ、あぁ…まあ一応』









お弁当をもぐもぐと、よく噛んで食べている北くんは相変わらず可愛い。



育ちが良いんだろうなあ、これでおばあちゃんっ子なのがさらに良いよなあ、天使だなあ




間違いなく、今私は世界一幸せ！！

























って思っているこのタイミングで



勢いよく開かれる教室の扉。

















間違いなく、例の問題児。



























「Aさんに会いに来ましたーー！！！」



















誤解を招く台詞



集まる視線



聞こえてくる適当な噂話









(出た！宮侑や！)


(九条さんの事どんだけ好きやねん)


(体育祭を機に付き合い始めたって噂あるで)



















してやったり顔の侑くんの顔を見れば分かる。













全部全部、




彼の計画通り。












相変わらず性格悪いし、面倒だし、読めない後輩。















でもなんというか…














『いつの間にか仲良し、なんだよね』




「……せやな」




「あ、北さんちわッス！！」











侑くんは私のことが好きで


私は北くんのことが好きで


北くんは部活と勉強で恋愛どころじゃない








なにこれ。



面倒な三角関係の、出来上がり。















この数ヶ月間で人間関係が大きく変わったような気がする。













最初からずっと変わっていないのは








北くんの真面目さと


侑くんの性格の悪さと


私の一途さかな。




















「なあ一緒に食べよ、Aさん？」





今日も今日とて、後輩に弱みを握られている。








____to be continued

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