episode31 ページ32
教卓を挟んで向かい側に立つ北くんは、こてんっと首を傾げてあざとく言った。
「九条が似合うって言うんやったら、髪型はオールバックにしようと思うたんやけどな」
距離は30cmくらいしかないと思う。
誰もいない教室、窓から吹き込んできた風で北くんの柔らかい前髪がふわりと揺れた。
あーほんとに、この人は綺麗な顔してるなって
女の私が嫉妬してしまいそうになるくらいで…
好きだなあ…
『……私なんかの要望聞いてくれるの？』
「逆に九条じゃなかったら聞かんよ」
ほれ、言ってみ？と言わんばかりに首を傾げる北くんは私が小さな声で「似合うと思う」と呟くと、満足そうに笑った。
「じゃあ俺のシフトの時来てな
「九条の」を強調しながら、ちょっと意地悪に笑うと、手を伸ばして私の髪に触れた。
毛先をクルクルと指で弄んで、綺麗な髪やなあと呟く北くんは、私の顔がみるみるうちに赤くなっていくのを見てまた笑った。
いま、絶対に私のこと
なんだろう、この雰囲気…
『…侑くんみたいだ』
ふと口から出た言葉に自分でも驚いた。何故急に侑くんの名前が出てきたのか分からなかった。
私の髪を触る北くんの手が止まった。
教室の中の音は、一切全てが消えた。
息をするのも気まずい程に。
「……侑と、一緒にすんなや」
私の髪から手を引いて、1番に言った言葉がそれだった。
今までに見たことも無いような冷たい目と低い声に、思わず息を飲んだ。
怖い、とは少し違う。
でも他に言い表しようもない感情が胸の辺りでゾワッと湧き出た。
北くんは、しばらく黙ったまま俯いていていた。
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FRISK。(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (4月9日 22時) (
レス) @page44 id: 6b38b8c85b (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - えええええええええええええ！？！？めっちゃ気になります！！一気読みしてしまいました！どんどん続きが気になって寝る時間が遅くなるばかりですｗ文化祭辛！どっちとくっついても文句はありませんっ！あとたこ焼き北さん可愛いです！ (4月8日 23時) (レス) @page44 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
さおり - 続き出るの楽しみにしてます、、、！読み終わって発狂しました、もう誰のポジでも切なすぎてもう！！！！欲張りなのでどっちのエンドも見たいなとか思っちゃったりしました、とても面白かったです！！ (4月8日 22時) (レス) @page44 id: 9038e3f6f8 (このIDを非表示/違反報告)
きつね - お恥ずかしながら最近になってこのお話を見つけました。最初は軽い気持ちでページを開いたのですが、いつの間にか引き込まれていました。涙も出ました。文字通り胸が締め付けられる、酸っぱい片思いをこんな綺麗に書かれていて本当尊敬しかないです。ずっと大好きです。 (12月13日 13時) (レス) id: 47a5037dc0 (このIDを非表示/違反報告)
ｿｳ(プロフ) - 続きずっとまってます (11月27日 8時) (レス) @page44 id: 3493a58856 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちねこ | 作成日時：2020年4月24日 20時
