◎ 距離感 ページ7
〔 mg 〕
｢……Aちゃんに会いたい。｣
｢余裕があるかのように振る舞う6人ずるいよな。｣
｢でも、長い付き合いやからそういう態度でおれるんよな、きっと。俺らもこの期間は歌舞伎に集中せな。｣
｢康二くんは、Aちゃんのこと心配じゃないの？｣
｢ほんまは心配やで、俺も。でも、我慢してまで距離置いてくれてるたむちゃんの気持ち、踏み躙ったらあかんよ。｣
｢俺らが出来ることは歌舞伎に集中することだから。｣
｢めめが言うなら、そうするしかない。｣
｢いや、なんでやねん。先に言ったの俺やから！らう！｣
歌舞伎の稽古が始まった。それと同時に、Aちゃん不在で準備を進めて、舞台に立つ期間に入った事になる。
長く一緒にいる6人は気にしていないように見えるけど、
だいすきなAちゃんのことは心配していると思うし、
実は会える時に会っているんじゃないかな。
前日元気も覇気もなかったしょっぴーが、
翌日になると調子良さそうに稽古に励んでいたり、
疲労困憊でぐったりしていたふっかさんが、
翌日誰よりも元気に動いていたり、
難しそうな顔で資料とにらめっこする岩本くんが、
翌日めちゃくちゃ良い改善案を提案してくれたり。
本当に会っているのかは分からないけど、
明らかに変化が分かるタイミングがあるんだよ。
Snow Manは、今まで、壁にぶつかる度に
Aちゃんの一言に救われて、
新しい1歩を踏み出して進んできたグループ。
気にしていないように見える6人は
Aちゃんをどこかで頼っているだろうし、
1人にしないようにと見守っていると思う。
まだ俺ら3人に、このグループを引っ張る為のパワーも、Aちゃんを1人にしない為の策を考える頭脳もない。
だけどいつかは、
全てを守っていけるような人になりたい。
ならないといけない。
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作者名：は む | 作成日時：2023年3月5日 3時
