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「正直、Aのこと好きちゃうねん」






今日は侑と付き合って1ヶ月の記念日



そう、おめでたい日である




なのに、なのに、この私の彼氏と言うやつはいっちばん彼女に言ってはならないことを今、このおめでたい記念日に言ってしまったのだ



ぽかんとした私の間抜け面




『ん....?え....?それはどういう....こと...?』





混乱したように聞く私に侑は続けてこう言った





「やから、お前のこと好きやないってこと。付き合う前も今も」





侑と付き合い始めたのはつい1ヶ月前で元々クラスも同じでよく話す方だった


気が付いたらずっと彼を目で追っていていつの間にか恋に落ちていたのだ


モテる侑のことやし私のことなんか眼中にもないやろと諦めていた時、侑の方から告白してきて晴れて付き合うことになった




大事なことなので2回言おう


" 侑の方から告白してきた "のだ






『え、いや、え??侑の方から告白してきてくれたよな?』





私の記憶違いだったのかと疑ってしまった



そう聞くと気まづそうな顔をしてもごもごと口を開く




「あー...まあ、付き合えるなら" 誰でも良かった "んよな。やってA、俺の事好きなの丸分かりやったし」





その言葉が重く私にのしかかった



俯く私に侑はヘラヘラした声で「でもまだ別れたりはせんでええで」とふざけたことを言っている





なんだかこのまま侑のペースに持っていかれるのも腹立つし、かと言って何もしないでこのクズ男のことを振るのも気持ち悪いし





さっきの侑の言葉が脳裏に過った




" 付き合えるなら誰でも良かった "





その時、私の中の何かに火がついた






『なら、あんたのこと本気で惚れさせたるわ』




「.......は...?」







侑のぽかんとした間抜け面




誰でも良かったと言うならば、私じゃなくちゃダメだと知らしめてやろうじゃないか

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作者名:にしむら | 作成日時:2024年11月27日 21時

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