司「君の特等席…俺に変更しない？」肆 (ページ6)

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143話ページ6

ピシッとミツバの心が限界を迎えたように窓ガラスが割れた

ガシャン！

光「痛って」

ミ「⋯」

ミツバの目にはさっきまでいた屋上が映っている

ミ「あーそっか。天体観測だっけ。綺麗だね流れ星」

光「⋯っ。おい⋯」

ミ「源くん達が塔に行ってる間⋯みんなとクッキーを作ったんだ」

クッキー？

ミ「かわいい先輩が教えてくれてさ。佐藤くんが意外と器用で横尾くんはちょっと⋯かなり下手くそ。言ったら怒られそうだけど」

ポタポタと音を立てながらミツバの頬を涙が流れ落ちる

ミ「全部ホントだったらもっと楽しかったんだろうな⋯」

光「お前⋯」

ミ「でもいーんだっ。僕はこれで十分⋯偽物だって幸せだもん。だからさ⋯源くんも満足してよ」

光「満足って何の話だよ」

ミ「僕は三葉惣助の偽物だけど本物だってことにしようよ！」

光「⋯っ！？」

ミ「ここはあの時源くんが助けられなかった"三葉"が生きてる幸福な世界。それでいいでしょ？今は違和感あるだろうけど直ぐになくなるから大丈夫」

光「は？」

ミ「僕が本物になれば⋯"三葉"は死んだことにならない！だから⋯僕とまた友達になってよ。源くん」

そう言って手を出すミツバの手を俺はパシッと叩いた

光「嫌だ。偽物の世界で本当に幸せになんかなれるわけねぇだろーが！！」

ミ「な、なんだよそれ⋯源くんは僕と友達になりたくないの？結構楽しかったじゃん！一緒に授業受けたりみんなでプール掃除したり⋯」

光「⋯」

ミ「なんで⋯！？源くんだってあの時助けられなかった"三葉"に戻ってきて欲しいくせに。"三葉"が生き返ったら嬉しいんでしょ！？」

光「⋯」

ミ「あ、そっか。僕が偽物だからガッカリしたんだ？」

光「⋯そうだよ」

ミ「⋯」

光「ここが三葉が生きてる世界なんだったら悪くねーなってそうだったら嬉しいって思ったよ」

ミ「だったら⋯」

光「けどここはそうじゃねぇ。全部偽物だ。この世界も三葉になろうとするお前も！俺は偽物の幸せなんかいらねぇ」

ミ「⋯っ」

光「"三葉"になる？ふざけんなよ。こんな世界にいるからそんなくだらねーこと思いつくんだ」

ビシッと雷杖を三葉に突きつける

ミ「！」

光「俺がてめぇの目を覚まさせてやる。無理やり引きずってでも⋯こっから連れ出してやるよ！うらぁ！」

ミ「！！来ないで！」

ガバッ

光「おわっ！」