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165話 ページ29

ガラガラ


貴「病院がくずれていく!メイちゃんどこに行くの?」


メ「この世界の出口ですよぉ」


貴「出口⋯!本当に知ってたんだ⋯」


メ「ここはねぇ。私の見てる夢の世界なんです」


貴「夢?」


メ「だからわたしが目を覚ませばきっとAちゃんも元の場所に戻れてますよ〜っと。床が⋯」


貴「どうしよう」


メ「任せてください!現実は色々と不便ですけどぉ。ここでなら私なんだってできるんですよぉ。こんなふうに」


貴「!?」


メ「ね?」


いきなりお姫様抱っこされたと思ったらすごい距離のある穴をメイちゃんが飛び越えた


メ「でも⋯今日は長く夢を見すぎましたねぇ。そろそろ目を覚まさなきゃ」


屋上に出た先には空に浮いている階段があった


貴「これか出口?」


メ「はい。あの階段の向こうです。行きましょ」


透けてる⋯


ドキドキしながらメイちゃんの後を追って階段を登ろうとした時


貴「!?」


私はそのまま階段から落ちそうになった


貴「な、なんで!?登れない!?」


メ「あらら⋯この先は私の現実なのできっとAちゃんと私と帰る場所が違うんですねぇ。それじゃあここでお別れですねぇ。Aちゃん」


貴「この先はメイちゃんの現実⋯」


現実に帰ったらメイちゃんは死んじゃう?


貴「⋯」


メ「?」


私は無意識のうちにメイちゃんの手をぎゅっと力ずよく握っていた


貴「ほ、ホントに行くの?だってメイちゃん⋯怖くないの?」


メ「!⋯Aちゃんはどこから来たんでしょうねぇもしかして未来から?」


貴「!」


メイちゃんが行っちゃう!


メ「ふふ。当たってますかぁ?もしそうなら⋯」


シ「待って!い、行かないで!行かないでください!ワタシはアナタを害する無意味な虚構でいたくない。いる訳にはいかないんです」


メ「虚構は無意味なんかじゃないですよぉ」


シ「!」


メ「現実は時々とてもつらいから目を閉じて夢を見る。明日を生きていくために。あなたは私の絵。私の夢。そして希望です。あなたがいるから私は今日も目を覚ます。生きていけるんです!」


シ「!!」


メ「⋯っていうか怪異だっていいじゃないですかぁ!学校の階段として語り継がれるなんてぇ。かっこいいですよ!」


シ「⋯」


シジマさんはこくんっと頷く


メ「会いに来てくれてありがとう。もうひとりのワタシ」









遠ざかっていく背中を


シジマさんはずっと何も言わずに見つめていた

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癒秘松(プロフ) - 面白いです!頑張ってください! (2020年2月15日 21時) (レス) id: 362f189d15 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 続きが気になる! (2020年2月10日 1時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
むゆな - 続きが気になる!変更頑張ってください! (2020年2月2日 23時) (レス) id: 5be02e72aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこもち | 作成日時:2020年1月31日 19時

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