司「君の特等席…俺に変更しない？」肆 (ページ17)

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154話ページ17

シ「ご機嫌いかがですかぁ？こんにちは〜⋯あら、大丈夫ですかぁ？」

貴「ぐずっ⋯うっ」

シ「一応様子見に来たんですけどぉ。どうしました〜？七番様にいじめられちゃいましたかぁ？」

貴「私、私ねもうすぐ死んじゃうんだって」

シ「あぁ〜みたいですねぇ。けどそう悲観することもないですよぉ？」

貴「なんで？」

シ「死期が近い人間は色々と特別ですし。怪異が見えたり七不思議と契約できたり考えようによってはお得ですよぉ」

シジマさんはサラっとチョコレートの絵を描いて私に渡してくれる

シ「甘いものはお好きですか？少しは落ち着きますよ」

貴「ありがとう」

シジマさんがくれたチョコはとっても甘くて美味しい

なんだか心がほっとした

貴「花子くんはここから出たら私が死んじゃうから私をこの世界に閉じ込めておくんだって」

シ「らしいですねぇ。この絵空事がここまで続いているのはアナタのお陰ですね」

貴「どういうこと？」

絵空事を作っているのはシジマさんだから私のはずないのに⋯どうゆうこと？

シ「分かりませんか？こんな都合のいいだけの世界。七番様が1番嫌いなものなんですよ。本当ならすぐにでも壊してしまいたかったでしょう」

花子くんが1番嫌う⋯

シ「だけど気づいてしまった。ここでならあなたは"生きて"いられること。だから壊せなかった。完成まで待ってから自分だけ元の世界に戻るそうです」

貴「え！？」

シ「七番様の望みはあなたがここで死を自覚することなく永遠に幸福な夢を見続けること。あの人に随分気に入られた見たいですねぇ」

貴「そうなんだ⋯」

ぎゅっと自分の制服を握る

貴「なんだか色々考えてたら悲しくなってきちゃった。メイちゃんちょっとだけ手を握っててもらえないかな」

シ「へ？私ですかぁ？」

貴「うん。誰でもいいから花子くん以外の人に慰めて欲しいの」

シ「うーん。まぁ、別に構いませんけど」

牢屋越しに手を出してくれたシジマさんの手をギュッと握る

シ「へ？」

貴「動かないで！」

シ「！！」

私はシジマさんが抵抗できないように首にパレットナイフを向ける

貴「少しでも変な動きしたらこのパレットナイフが火を噴くわ！！」

ふ！ふ！ふ！ふ！とドラマのような声がもれて私は今悪者のきぶんだ！ははっ！

シ「あれ〜！？あなたさっきまで泣き崩れてませんでしたかぁ？」

貴「あんなの嘘よ！」

シ「えぇ〜」