【YouTuber】恋の読み方【短編集】

シネマ＿Eiji ページ8

「エイジ、好き」
「おう」

78回目。
今日も彼女は飽きもせずに、同じ言葉を繰り返す。

「飽きねえな、お前」
「うん」
「俺、彼女いるけど」
「やだなぁ、知ってるよ〜〜」

「諦めねえの?」
「諦めるとか、諦めないの問題じゃないんだな」

なぜか満足げに答えた彼女は、俺の隣に腰を下ろした。

「私はあなたの人生の登場人物になりたいの」
「は?」

彼女は言う。

「人生を、とても長い映画だとするじゃない?」
「私は、その登場人物になりたいの」

俺には意味がわからなくて、”お、おう”と形だけ相槌を打っておく。

「役所は?」
「なんでもいいかな〜〜」
「ヒロインじゃねえんだ」
「うん、通行人Aだっていいよ」

「ただ、あなたの記憶に残りたいの」
「エイジが死ぬ時に見る走馬灯の中に、一瞬でも登場できたら、私は幸せかな」

そう言う彼女の顔は、とても幸せそうだった。


「変な女」


そんな彼女を、切り離せない自分がいるのが、虚しい。


P.S.
短いし、会話文ばっかですね。
ただの思いつきなので、許してください(笑)

白昼夢＿Naitou◎ﾘｸｴｽﾄ→←交際三年目＿Silkroad

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