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深夜零時の静寂《はじめしゃちょー》 ページ14

もうそろそろ日付が変わりそうだ。

帰ってこない。
彼が、いつまでたっても帰ってこない…

深夜の静寂が私を包む。

体の奥からふつふつと不安が湧き出てきて、じっとしてられなくなる。
メールの返事はないし、電話も出ないし。
彼に何かあったのではないか、そう思うとますます不安になる。
かといって、私にはこれ以上何も出来なくて、ソファーで携帯を握りしめて待っていることしか出来ない。

そんな自分が情けなくて、仕方ない。

彼が困っていても、私には助けることが出来ない。なにもできない。
いつもそう。私は見てる事しか出来ない。

(彼の力になりたいのに…)


時計を見ると、針は12時を回っていた。

(早く…帰ってきて…)

零れそうな涙を必死に堪える。


突然、手の中の携帯が震えた。
表示されたのは、彼の名前。


「もしもし…!」

「もしもしA?ごめん、もう着くから」


彼の声が耳に響く。
その声に、体全身の緊張が解れて、安堵の涙がポロポロとこぼれ出す。

「…わっ!A泣いてる!?」

受話器の向こうで慌てる彼の声がするけど、私はただただ涙を流し続ける。

「ごめん…!待っててね!」

その声とともに、玄関から解錠音。

私の体は無意識に玄関へと向かっていた。

「ただいま!!」

携帯片手に、笑顔でそういう彼を、
強く、強く、抱き締めた。

「おかえり…おかえりなさい…」

「わわわっ、どうしたの??」

彼の腕の中で何度も何度もそう呟くと、少し驚いたような彼の声。




やっと帰ってきた。
愛しの彼が。




___おかえりなさい。

変わらない関係を望む《そらちぃ》鈴さんリク→←たまには《ダーマ》雅さんリク



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クロハ(プロフ) - ありがとうございます…最高です… (2017年8月7日 14時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ - ありがとうございます(´;ω;`) (2017年8月4日 18時) (レス) id: 874f7f8e04 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - クロハさん» わかりましたー! (2017年8月4日 15時) (レス) id: b502a9e7b5 (このIDを非表示/違反報告)
クロハ(プロフ) - またまた失礼します(*´-`)エイジ君で甘めなのお願いできますか? (2017年8月4日 2時) (レス) id: 6a4238f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
瀬名(プロフ) - 翡翠さん» 本当ですか!そういっていただけて嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2017年8月1日 20時) (レス) id: 60b5c0e445 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瀬名 郁 | 作成日時:2017年4月7日 21時

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