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ロンドン 港の船乗り場にて
Aとクリーデンスは、スケンダーの荷物を運ぶ手伝いをしていた。
遡ること数日前。
スケンダーは、突然Aの元へ訪れた。
身に纏う物は、どれも高級そうな品ばかりで、貴族ですと言わんばかりの裕福な暮らしが見えてくる。
家に入ると早々、偉そうな態度でソファーに腰掛けた。
ボニーは、すかさず紅茶を用意しテーブルに置くと素早く退散し遠くからスケンダーの様子を見た。
『貴方が、直接ここに訪れるなんて珍しい。まぁ本来は、そうあるべきなのですが…。』
彼からの依頼はよく受けるものの全てフクロウ便で送り付けてくるため実際に会ったことは、これで２回目ほどだ。
｢ちょうどノクターン横丁に用事があったからついでだ。それと今回は、でけぇ注文をしたくてな。｣
Aは、どんなものかと尋ねると人一人分が最低限暮らせるくらいの広さの檻を注文してきた。
脱走をしないように鍵を複雑にかけて欲しいこと、隙間は、なるべく細く外との交流を遮断して欲しいとの事だった。
その注文にスケンダーは、等々人間までも檻に閉じ込めようとしているのかと嫌気が差した。
しかし、この後の交渉もあるので、ここはぐっと堪えることにした。
『わかりました。ですが、今回はこちらからもお願いがあります。…私と彼を貴方の経営するサーカス団の一員にして頂きたいのです。』
Aの一言にスケンダーは、思わず吹かしていたタバコを落としそうになった。
何を言い出すんだと彼女とクリーデンスを交互に見た。
『もちろん。今回のお代は結構よ。彼の家族を探しているの。その情報を手に入れるために他国へ渡りたいのです。貴方なら顔が広いですから。』
｢お前は百歩譲って連れていくとして、何故此奴も一緒なんだ。此奴には、何ができるって言うんだ？｣
『彼は絶対に居なきゃ行けないのよ。私達雑用でも何でもするわ。情報が見つかるまでの間だけだから、どうかお願い。』
スケンダーは、何やら屋敷下僕妖精と耳打ちしながら相談し始めた。
クリーデンスは、心配そうにAを見ていたが、その視線に気づいた彼女は、大丈夫だと言うように優しく微笑んだ。
暫くしてスケンダーは、一瞬だけずるそうな顔をしてその交渉を受けいれた。
｢いいだろう。その代わり給料は勿論無しだ。お前は、魔法道具の修理も請け負ってもらう。お前は、俺の指示に必ず従え。｣
わかったなと念を押されたクリーデンスは、首をすくめた。
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狭山(プロフ) - ボンクラMONKEYさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです。何とか最後まで更新頑張ります！ (2023年2月8日 19時) (
レス) id: 374a4dca68 (このIDを非表示/違反報告)
ボンクラMONKEY(プロフ) - 前作とても面白かったです。今作も とても楽しみです。応援してます。 (2023年1月25日 21時) (レス) @page1 id: 402691cbe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狭山 | 作成日時：2022年10月10日 4時
