第３節 ページ17
「え？志穂とLIMEの連絡がつかないって？」
昨日のことを打ち明けると、藤野は笑って言った。
「志穂、スマホがトラックに轢かれて、完全に修復不可能になってるんだよ」
「えぇ！？何があったんだよ」
「歩道橋で歩きスマホしてたら、躓いた拍子にスマホ落としたんだって」
うわー、マジかよ。なんだったんだ、昨日の俺の勇気。
藤野は、俺の恋心を知る唯一の人間だ。
別に、好き好んで教えたわけではなく、あいつに見破られただけだ。断じて、信頼はしていない。
まあ、LIMEのアカウント教えてくれたことといい、色々協力してくれるのはありがたいんだが。
まあ、LIMEがダメなら、恥ずかしいが、直接言うしかないな。
「早川！」
休み時間、早川の机に行って声を掛けると、少し嫌そうな顔をされた。
「何」
ぶっきらぼうに答えられる。
「今週の日曜、部活ないからさ、俺の家、来ない？」
そう言うと、早川は更に顔を歪めたが、渋々、という感じで、頷いてくれた。
周囲がどよめく。
「なんだお前、まさか、お前早川のこと好きなのか〜？」
山井が馴れ馴れしく腕を俺の肩に回して言った。
「そんなわけないだろ。昔借りた本、なくしたから探しに来てもらうだけだ」
平静を装いつつ、山井の腕を振りほどいた。これで誤魔化せただろうか？
「えー！本なんていつ借りてたの？」
クラスの女子のうち、誰か一人が、悲鳴のように言った。
「中学ん時だよ」
ぶっきらぼうに言う。さっき、早川が嫌そうな顔をした理由が、やっと分かった。
「じゃあ、俺も探すの手伝うわ」
「私も私もー！」
「えーっ、じゃあ、私も！」
次から次へと名乗り出る。これじゃあ、早川に告白作戦が台無しになってしまう！
「お前ら、部活は？」
少しでも人数を減らそうと、知恵を絞ってそう言うと、一瞬、静寂が訪れた。これで、他の奴は来ないはず……！
「何言ってんだよ、俺は行けるぜ！」
「私も、午後からなら行けるよ！」
そうだった。野球部やテニス部の屋外で活動する部は、休日は午前中しか練習がないんだった。
「えっと、じゃあ、日曜、午後１時に学校で……そっから、俺んち移動。来れる奴は来い」
周りの流れに押し負け、そう言ってしまった。
「残念だったねぇ。まだ、志穂は親友である私が独り占めってことで」
とりあえず、耳元でニヤニヤするコイツ、とてつもなく殴りてぇ。
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マサイ推し - 更新お待ちしてます。 (2020年7月26日 21時) (
レス) id: 771a4df003 (このIDを非表示/違反報告)
雪見(プロフ) - とても面白いです！！更新頑張ってください！！！ (2018年11月16日 22時) (レス) id: 27975a6d3f (このIDを非表示/違反報告)
水瀬(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！！ (2018年10月21日 16時) (レス) id: db4b643399 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜がけ抹茶わらび餅(プロフ) - まぃりぃさん» ありがとうございます！最近、ちょっと用事が多くてですね……更新が遅れてしまいますが、明日からはちゃんと更新しますよー！ (2018年8月10日 6時) (レス) id: 1a91fe4b3b (このIDを非表示/違反報告)
まぃりぃ - とても面白いです！続きが楽しみです。更新頑張ってください♪ (2018年8月9日 23時) (レス) id: 6b8bf83b3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒蜜がけ抹茶わらび餅 x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2018年7月16日 12時
