-決断- ページ10
場面は代わって、ここは海岸。
小さな小舟が二隻停まっている。
ロー「あの女が海兵に捕まっただと！？」
コビー「はい…。」
少し遅れてAの後を追ってきたコビーだったが、追いついた時には、既に彼女が連行される最中だったのだ。
ペンギン「でも、俺たちには関係なくね？さっき会ったばかりだしさ」
コビー「でも…」
アルビダの船で、嫌々雑用として働いてきた同士であるA。
心優しいコビーは、彼女を見捨てるなんて選択を下すことは容易ではない。
しかし、海軍基地に突入し彼女を救いだすなん勇気もない。
海賊である彼女を助けてしまえば、自分の夢さえもドブに捨てることになる。
シャチ「お前には人情ってもんはないのかよ、ペンギン」
ペンギン「は？俺たち海賊だぞ？人情なんてねーだろ。な？船長」
ロー「あァ。自業自得だ。」
ペンギン「だってよ。そんなに助けたきゃ、お前ら二人が海軍基地に乗り込んでけよ」
コビー「そんなァ！！」
しかし、二人が基地に乗り込めば、捕まるだけなのは目に見えている。
船長がいなければ、助けられる確率は０に等しい。
シャチ「助けないなんて冷たいっすよ。ま、船長がそんな情に流される人じゃないってことは分かってるけど。」
ロー「自業自得だとは言ったが、助けねェとは一言も言ってねェ」
ペンギン「でも、船長！相手は海軍基地っすよ？なんでそんな女のために死ぬような真似するんすか！？」
船長はその質問には何も答えず、ただ
「黙って俺に着いてこい。あの女を助けることを後悔はさせねェ」
そう言い、四人を引き連れ、海軍基地へ向かって歩いていくのだった。
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作者名：本郷葵 | 作成日時：2019年9月15日 1時
