【約束のネバーランド】部屋に潜む少年

OPENING ページ1

・


少年は白い病室の中にいた。


医者に余命半年と宣告された少年にはもう生きる気力が残っていなかった。


｢陽向、大丈夫？暇ならこれ読んでみて｣


見かねた姉が少年にある漫画を渡す。
その漫画には『約束のネバーランド』と書いてあった。


最初は読む気が起きなかったが、姉が心配してくれているし、と渋々その漫画を読んだ。


｢あれ、もう、読み終わっちゃった…｣


十何巻あったはずなのに、なんと一日で読み終えてしまった。


少年はその漫画のおかげで仲間の大切さ、命の尊さを学ぶことができ、人生が終わる最後まで生きようと決めた。



＿＿＿ある日



病室に少年の姉と弟がやってきた。



楽しい話、辛い話、これからの話などたくさんした。
そして少年は優しく微笑み、弟の頭を撫でる。



｢璃久、家族のことはお前に任せたよ｣



少年の弟は｢まかせてよ！｣と眩しい笑顔を少年に向ける。



その数日後、家族に見守られながら少年は息を引き取った。





・

設定→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す