70話 決着 ページ23
焦りが見えるドラゴンリンクに対して雷門イレブンは攻勢を見せる。
「あいつら…この試合でどれだけ成長したんだ…?」
水鳥の当然の発言に鬼道は訂正を加え説明する。
「いや、確かにあいつらは成長したが、たった少しの時間で実力が逆転するということはない…。確証は無いが…天馬達はいわゆる「ゾーン」と呼ばれるものに入っているのだろう。」
「ゾーン?」
「ゾーンというのは極限の集中力に入った状態のことだ。今、天馬達は一瞬のアイコンタクトだけで連携を取れている。その為、ドラゴンリンクの選手の対応が後手になっているんだ。」
ーーーーーーーー
「これは…なんの冗談だ…。」
先程まで皮肉な笑みを浮かべていた男、千宮路大吾は呆気に取られた表情をしている。
「千宮路…これが管理サッカーの限界じゃないのか…?」
「なんだと!」
「心からサッカーを楽しむ彼らだからこそあの様なプレーができるんじゃないか?事実、ドラゴンリンクは…」
「黙れ!!」
千宮路の怒号が豪炎寺に放たれる際中にも試合は進む。
雷門の攻勢を瀬戸際で抑えていたドラゴンリンクだが、後半ロスタイムについに試合が動く。
「スパイラルドロー!!」
天馬が中盤で相手からボールを奪う。
「A!」
天馬からAにボールが渡る。
「皆の為に、絶対決める!奏者マエストロ!!ハーモニクス!!!」
「お前達、絶対に止めろ!!」
Aの放ったシュートの軌道上にドラゴンリンクの選手が割り込みブロックを試みるが、Aのシュートはそれを突き破る。
「くっ……(だが、勢いは弱まった。これなら止められる!!)」
千宮路大和が向かってくるシュートに構えた時ー
ー「ファイアトルネードDD!!」
剣城と天馬がシュートチェインを仕掛けた。
「何ッ!その技は…」
「悪いな大和、元々この技は天馬と俺じゃなくて天馬と剣城の技なんだ。」
再び勢いを増したシュートが大和に迫る。
「クソッ!こんなものッ……こんなものッーー!!!!」
雷門イレブンの…自由なサッカーを愛する人の気持ちを乗せたシュートはドラゴンリンクの守りを破りゴールネットを揺らした。
ーーピッーピッピッピッーー!
そして間もなく試合終了のホイッスルが鳴らされた。
続く。
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佐藤 ほまね(プロフ) - 悠樹さん» ありがとうございます。m(_ _)m (2022年8月6日 0時) (レス) id: 733eadf544 (このIDを非表示/違反報告)
悠樹(プロフ) - 早く続きが見たいです (2022年8月4日 22時) (レス) id: 75bdd301b1 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤 ほまね(プロフ) - 誤字がある際は伝えていただけると嬉しいです。 (2020年8月17日 15時) (レス) id: 3562b0c896 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤 ほまね | 作成日時:2020年8月15日 16時