ほくとくらぶ 。

じゅう ページ11

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樹「ごめん北斗遅れた〜」







テラス席に座っていた松村さんに軽い調子で話しかける樹くん。



すると、サングラスをかけた松村さんが振り返った。





北斗「おっせ……え！？え、え！？Aちゃ…、」



『お邪魔させてもらいます…』







驚いた様子でサングラスをかちゃかちゃさせる松村さんに、私は恐縮しながらお辞儀した。







そんなの耳にも入らず、まだ松村さんの口は塞がらない。








咲「落ち着かないね」




『ふふ、そうだね』







からかうようにそう言う咲に同調した。





やっと落ち着いてきた松村さんは、ブラックコーヒーを一口飲むと私たちに向き直る。







北斗「…どうぞ、座って」








声がまだ震えている。



じゃあ、遠慮なく。と言って咲が松村さんの斜め前に座った。




樹くんがすかさずその横に座る。





…最後、余ったのは隣だけだったので私は松村さんの横に腰かけた。







すると松村さんは顔を逆方向にそらす。



…嫌かな、私の横。







そう思った私は、席を立った。








『咲、席変わって』






そういうと、３人は驚いたように私を見た。






え、なに…



首を傾げていると、咲も席を立って私の席に来た。どうやら入れ替わってくれるようだ。





私は軽くありがとうと言って樹くんの横へ移動した。






前を見ると、松村さんがちょっと悲しそうな顔しているのが目に入った。








…どうしたんだろ。



やっぱり会うのは２回目なだけあって、あまり松村さんのこと分からない。







松村さんのことで悩みながら、私はメニューを開けた。









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